1993 Fiscal Year Annual Research Report
高品質結晶によるアミノ基転移酵素の反応中間体の高分解能構造解析
Project/Area Number |
05244210
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広津 健 大阪市立大学, 理学部, 教授 (10047269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 明弘 大阪大学, 理学部, 助手 (40243159)
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Keywords | アミノ基転移酵素 / ラウエ法 / 反応機構 / 時間分割構造解析 / 変異型酵素 / タンパク質工学 |
Research Abstract |
アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AspAT)は同一のサブユニット2個からなる2量体で、2回対称軸を持つ。サブユニットは大ドメインと小ドメインの2つのドメインからなり、活性部位はドメインインの界面とサブユニットの界面が接近する位置に存在し、補酵素ピリドキサール5′-リン酸は活性部位のポケットの底に結合している。この酵素は基質を結合すると、小ドメインが約5°回転し活性部位を閉じる。これを‘open-closed'変化と呼ぶ。この大きなコンホメーション変化は、触媒反応と直接関係しており、反応のほとんどすべての課程がclosed型で進行する。この酵素の‘open-closed'変化および触媒反応機構を時分割構造解析により調べるのが本研究の目的である。そのために、(1)AspATおよび変異型AspATについてラウエ法に適する良質な結晶の作製を試みた。通常のX線回折実験より1.8〜2.2Å分解能の結晶を得ることができるようになった。(2)これらの結晶のラウエ法による実験を行ったが、ほとんどの結晶は指数付け可能な回折パターンを与えなかった。2置換変異型酵素N194A+Y225Fのみが良質なラウエパターンを与え、データ処理を行うことができた。しかし、同じバッチからの結晶が全く質の異なる回折パターンを与え、どのような結晶化条件がラウエ法に適するかは明らかにならなかった。処理した反射データをを用いて、精密化を行い、巨大ワイセンベルグカメラを用いて構造解析したものと比較した。活性部位付近の電子密度マップ(3Å分解能)を調べたところ、主鎖の一部が切れたり、側鎖のトレースが困難な部分があった。 (3)‘open-closed'変化が単結晶を壊すことなく進行することを確認した。open型結晶へ基質類似物をsoakingし、プレセッション写真を調べた。結晶はclosed型へと変わっており、回折パターンも良好であった。良質なラウエ写真を与える結晶の作製が今後の課題である。
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Research Products
(1 results)