1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05246104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 晃 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 善男 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (00016627)
森 康彦 慶応大学, 理工学部, 教授 (90051888)
矢部 孝 群馬大学, 工学部, 教授 (60016665)
庄司 正弘 東京大学, 工学部, 教授 (00011130)
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Keywords | 非平衡現象 / 高速カンワ現象 / 蒸気爆発 / 衝撃波 / 界面現象 / シミュレーション物理 / 水和物 |
Research Abstract |
蒸気爆発の複雑な過程は,1)初期の非平衡状態が局在した熱力学的状態,2)高温度差の液液接触における超高速伝熱と相変化を伴う緩和現象,3)界面挙動と衝撃波の発生,4)衝撃波の非平衡界面への作用などに整理される.本研究では,液液および気液界面における非平衡状態の高速緩和過程に着目して,以下の5つの課題について研究を進めた. (1)超高速加熱下の伝熱現象(庄司)では,金属細線または固液界面を急速放電または高出力レーザーパルスにより,低速(10^4k/s)から高速加熱(10^9k/s)し,加熱面の温度や熱流束変化を高速測定するとともに、蒸気膜生成速度と圧力パルスの発生過程について超高速動画で観察した.また,昨年度見い出した温度揺らぎの成長過程を定量的に調べた. (2)超高密度エネルギー束下の界面現象のシミュレーション(矢部):融解・蒸発の動的挙動をシミュレーションする多次元計算コードを作成し,衝撃波下で蒸気膜が潰れる過程の熱的微粒化モデルの妥当性および衝撃波下の微粒化過程の実験結果を解析し,微粒化機構の解明を試みた.さらに,分子動力学シミュレーション用専用計算機を開発・試験した. (3)高過熱液-液系の安定性と急速緩和過程(森):高温水中にフルオルカーボンの液滴を保持し,気体水和物の発生・成長や急減圧時の沸騰現象,水和物殻に包まれた液滴の減圧による突沸,水和物殻の破砕の系統的な実験と観察を行い,これらの挙動を明らかにし,機構を,ほぼ明らかにした. (4)衝撃波の液液・気液界面への流体力学的作用(吉澤):液柱衝撃波管を用い,衝撃波に対する気液自由界面や気泡により作られた気液界面の不安定現象を超高速度カメラにより詳細に観察し,衝撃波下の各種形状の液液及び気液界面挙動と微粒化機構を調べた. (5)衝撃波下の蒸気膜界面の熱輸送特性と界面挙動(井上):二次元界面挙動観測実験装置を用いて,固体加熱面および液体面上の蒸気膜の消滅過程および高出力パルスレーザによる液液界面を急速加熱下の蒸気膜挙動を超高速度カメラにより調べ,非定常伝熱特性を実験と解析で調べるとともに微粒化モデルを提案した.
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