1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05252233
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
西村 幹夫 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (80093061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (50212155)
西村 いくこ 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (00241232)
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Keywords | 熱ショックタンパク質70 / シャペロニン60 / ペルオキシゾーム / 分子シャペロン / カボチャ種子 / 特異抗体 |
Research Abstract |
分子シャペロンはタンパク質の折れたたみの促進やほどけた状態の維持、更にタンパク質間の集合や解離を介添する一群のタンパク質で、タンパク質の細胞内輸送、複合体形成などを含む機能発現過程において必須の役割を果たしていることが明らかにされつつある。植物細胞のペルオキシゾームに特異的な分子シャペロンの存在を調べるために、分子シャペロンとしてシャペロニン60(Cpn60)や熱ショックタンパク質70(Hsp70)を中心に解析を加えた。暗所で4日間成育させたカボチャ種子の子様組織から蔗糖密度勾配遠心によりミトコンドリアを調製し、その可溶画分をグリセロール密度勾配遠心によりE.coliのGroELの特異抗体との反応性を指標として、Cpn60を精製した。サブユニットの分子量は60kDで、そのN末端アミノ酸配列で決定された34アミノ酸のうち26アミノ酸がE.coli GroELと同一であることから、精製したタンパク質がミトコンドリア局在のCpn60であることが示唆された。一方Hsp70はクロロプラスト可溶画分をATPアガロースカラムに吸着させ、5mMATPで溶出させることにより、精製した。サブユニット分子量は70kDで、N末端アミノ酸配列はE.coli DnaKと高いホモロジーを示した。これらの精製分子シャペロンの特異抗体を調製した。単離ペルオキシゾーム画分を用いてこれらの特異抗体と反応性のあるタンパク質を検索したが、該当するタンパク質を検出することができなかった。このことは、ペルオキシゾームにはミトコンドリアCpn60やクロロプラストHsp70と免疫学的に近いホモログは存在しないことを示唆している。
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[Publications] Tsugeki,R.: "Interaction of homologues of Hsp70 and Cpn 60 with ferredoxin‐NADP^+reductase upon its import into chloroplasts." FEBS Letters. 320. 198-202 (1993)
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[Publications] Strzalka,K.: "Heat shock induces synthesis of plastid‐associated Hsp 70 in etiolated and greening pumpkin cotyledons." Folia Histochem.Cytobiol.32. 45-49 (1994)
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[Publications] 槻木竜二: "プラスチッドの分化と分子シャペロン" 植物細胞工学. 5. 387-392 (1993)