1993 Fiscal Year Annual Research Report
渦鞭毛藻類を細胞内共生者とする海産無背椎動物に於ける共生関係の発達機構
Project/Area Number |
05257103
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
弥益 輝文 琉球大学, 教養部, 教授 (80032811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 哲也 京都大学, 理学部, 講師 (30025308)
大野 照文 京都大学, 理学部, 助教授 (40194245)
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Keywords | 渦鞭毛藻類 / ハチア / 共生藻 / 共生関係 / 細胞内共生 / ペリヂニン-クロロフイル蛋白 / 窒素代謝活性 |
Research Abstract |
本年度は、新たに腔腸動物、花虫類のオヨギイソギンチヤクの1種、軟体動物、二枚貝類のシャゴウガイ、後鰓類のフトガヤミノウミウシ Cuthona yamasuii、扁形動物、無腸類Amphiscolops spp.,などから共生藻類の渦鞭毛藻類を分離培養した(弥益)。これらの渦鞭毛藻類の増殖について研究し、オヨギイソギンチャクの共生藻類が他の共生藻類に比して大きさ、色彩、形態に差異が認められることを明かにした(弥益)。現有の培養共生藻類および本年度分離した共生藻類について、ペリヂニン-クロロフィル蛋白のアミノ酸配列の比較を行い、無腸類の共生藻類のみが他に比して高分子量である(33.6KD)、自由生活で非共生の渦鞭毛藻類2種と比較し、分子量、ペリヂニン分子数に差が認められる、共生藻類間におけるアミノ酸の配列には大きい差異は認められないが、非共生藻類との間にはペリヂニン-クロロフィル蛋白に明かな差異が認められた(加藤)。窒素代謝活性について、無腸類では、硝酸態窒素をよく利用し、他の共生藻類ではアンモニア態窒素をよく利用する、特にヒメジャコ共生藻は、著しく高いアンモニア態窒素の利用率を示し、サンゴ、シャコガイ類の共生藻類では、共生関係にある時には宿主由来のアンモニア態窒素を生育の主要なN源としているとの示唆を得た(加藤)。オオヒシガイをそのまま用いて光の入射方向による酸素発生速度測定による光合成活性を測定し、入水孔側からの光を高率に利用することを明かにした(加藤)。オオヒシガイ Fragum sp.mundumについての生態学的研究を行うとともに、二枚具と渦鞭毛藻類との共生関係についての新たな事例の収集のために共生関係を持つと予想される近縁なモクハチアオイ Lunulicaidia の生息場所の発見に努めた(大野)。私費渡航したインドネシア、および沖縄島での探索の結果、生貝入手の可能性の高い生息地を特定し得たので、来年度にはこの種についての本格的調査活動を行う予定にしている(大野)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 大野照文: "形態形成的種の概念化石にも適応可能な種の定義と把握についての新しい方法" 月刊地球. 15(9). 529-538 (1993)
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[Publications] 北里洋・大野照文・松岡数充: "現代によみがえる化石・実験古生物学" 月刊地球. 15(9). 523-529 (1993)
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[Publications] 大野照文: "二枚具の成長縞解析の現状" 月刊海洋. 25(10). 613-621 (1993)
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[Publications] Ohnu.T,Kotoh,T,and Yamasu,T.: "Stvawberry eoekle′s shode loving (sciophilous)phto-symbiosis and the crigin of the algal-bivalve symbiosis" Palaeontology. (submitted). pp-45 (1993)
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[Publications] Ohno,T.: "Intra-periostracalcalcifiecl needles of the bivalve family Veneridoe" Rroceedings 7th International Biomineralization. (submitted). pp-15 (1994)