1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05257202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 宏 北海道大学, 理学部, 教授 (00013590)
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Keywords | かくれが / モエビ / 競争 / 共存 / 捕食者 / 水槽実験 / 数理モデル / 藻場 |
Research Abstract |
研究経過と成果: 1985-1986、1987-1988年の2年間に採集されたモエビ類のうち、特に優占した3種のモエビについて、個体群構造とその季節変化を明らかにした。また、主な捕食者(ハオコゼ)の個体群消長を追跡した。ハオコゼの定期採集サンプルから、胃内容調査によって食性を明らかにした。その結果、3種のモエビの個体数組成にほぼ近い割合で食べられていることがわかった。一方、水槽において3種のモエビを同数づついれ、1匹の捕食者に食べさせた実験によれば、ホソモエビがもっともよく食べられ、ランダムに食べられた場合に期待される生残率と有意に異なった結果となった。捕食者の存在下においては、モエビ類の行動に顕著な変化がおこり、干渉型競争に大きい影響がみられた。捕食者が近くにいる場合には、どの種のモエビも活動が不活発になり、遭遇頻度が極端に低下した。さらに、遭遇がおこっても相手を葉上から排除してしまわないことが多く、捕食者の存在がモエビ類のかくれがをめぐる競争を抑制する効果が明らかになった。 以上の小網代湾の藻場における結果を用いて、ホソモエビとコシマガリモエビのかくれがをめぐる競争種2種と捕食者ハオコゼ1種の系におけるかくれが内外の2種のモエビの密度の変動を数理モデルによって推定した。その結果から、ホソモエビとコシマガリモエビのそれぞれの再加入率(出生率)を両軸に取った平面上において、捕食者のいる時といない時を比較すると、捕食者がいることによって共存が可能になる範囲がかなり広く存在することがわかった。これがpredator-mediated coexistenceとよぶ事ができる範囲である。また、その捕食者が共存に及ぼす効果は、両種のかくれが内における自然死亡率に大きく依存することがわかった。
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[Publications] 陀安一郎・重定南奈子・向井宏: "モエビ類の共存におけるかくれがの効果と捕食者の役割" 月刊海洋. 25. 283-287 (1993)
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[Publications] 岸道郎・向井宏: "厚岸湾におけるもえび類の分散予測" 月刊海洋. 25. 288-289 (1993)
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[Publications] Mukai,H: "Biogeography of the tropical seagrasses in the western Pacific" Austral.J.Mar.Freshw.Res.44. 1-17 (1993)
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[Publications] 向井 宏: "藻場(海中植物群落)の生物群集〔1〕" 海洋と生物. 15. 394-395 (1993)