1993 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔作用の分子機構解明のためのナトリウムイオンチャンネル突然変異体の解析
Project/Area Number |
05263222
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田中 良晴 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60236651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵 恒雄 大阪府立大学, 附付属研究所, 講師 (70090462)
蒲生 寿美子 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (40128765)
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Keywords | エーテル / 麻酔 / ショウジョウバエ / ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
我々は全身麻酔薬による麻酔メカニズムを分子レベルで解明することを目標にしている。神経系の機能に重要な働きを持つイオンチャンネルが作用の1つであると考えられるので、ショウジョウバエナトリュウムチャンネル突然変異体に注目した。8系統のpara座alleleについてエーテル麻酔でスクリーニングを行ったところ、野性型Canton-Sでは半数麻酔濃度は1.9%気圧であったのに対し、Para^<ts2>、Para^<ts115>及びPara^<838-2-14>では1.2%気圧前後で高感受性であった。このうちP因子誘発変異体であるPara^<838-2-14>を用いて分子レベルでの解析を行なった。 この変異体におけるP因子の挿入部位を明らかにするため、I-PCR法による増幅、クローニング及びシークエンシングを行った結果、内部欠失をもつ1.1kb因子がPpara座ナトリウムチャンネル遺伝子の第2イントロン中で第3エクソンの279塩基上流に挿入されていることが明らかとなった。またLoughneyら(1989)による野性型Canton-Sの第3エクソンの配列と比較したところ33塩基のうち2塩基が異なっていた。しかし当研究室のCanton-Sなど3系統で第3エクソンの近傍DNAのみを増幅しシークエンシングを行った結果、2塩基の置換は麻酔に対する感受性とは関係ないことを明らかにした。 エーテル麻酔高感度受性がP因子挿入するか否かを調べるためpara^<838-2-14>の復帰突然変異体を作成した。完成後P因子を含むppi25.1のBam 消化物をプローブとしサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、8系統全ての復帰体においてP因子は消失していた。従ってP因子挿入がエーテル麻酔高感受性を引き起こしたものと考えられる。 これらの結果はナトリウムチャンネル蛋白質がエーテル麻酔の作用点の1つであることを強く示唆している。
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Research Products
(1 results)