1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05263227
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
桂 勲 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 教授 (00107690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 健 国立遺伝学研究所, 遺伝情報研究センター, 助手 (10249948)
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Keywords | C.elegans / 致死変異 / 形態形成 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、(1)腸と体壁の間に隙間ができる幼虫致死変異(clr-1様変異と呼ぶ)と(2)フッ素イオン耐性変異、また新たに、(3)孵化が遅れる変異を解析した。合計4つの遺伝子をクローニングし、その1つが新しいファミリーのタンパク質キナーゼらしいことを見つけた。 (1)clr-1様変異の1つlet(ut102)の遺伝子断片を、クローニングした。さらに、野性株ゲノムDNA断片を変異株に導入して、変異表現型の抑圧に必要な最小部分を決定した。このDNA断片(4.4kb)の全塩基配列を決定中だが、現在まで既存の遺伝子とのホモロジーは見つかっていない。今後は、この遺伝子の発現部位を調べて変異の標的器官を探し、種々のシグナル伝達遺伝子の変異によるこの遺伝子の発現の変化を調べてシグナル伝達系との関連を解明する予定である。 (2)フッ素イオン耐性変異のうちflr-1とflr-3の遺伝子およびcDNA(部分長)をクローニングした。flr-3は、新しいファミリーのタンパク質キナーゼと思われる。また、5側の異なる2種のcDNAが得られ、alternative splicingの可能性が示された。フッ素イオン耐性変異は、ある条件でdauer幼虫形成を促進するので、神経系と関係した機能を持つらしい。 (3)孵化が遅れるhch-1はある神経芽細胞の移動方向が変わるという興味ある表現型を持つ。そこで、トランスポゾン・タギング法とDNA断片の導入による変異表現型の抑圧により、hch-1遺伝子が9kbのゲノムDNA断片内にあることを決定した。この範囲をさらに狭めてから、塩基配列を決める予定である。
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[Publications] I.Katsura.et al.: "Isolation,Characterization,and Epistasis of Fluoride-resistant Mutants of Caenorhabditis elegans." Genetics. 136. 145-154 (1994)
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[Publications] I.Katsura: "In Searsh of New Mutants in Cell-signaling Systems of the Nematode Caenorhabditis elegans." Genetica. 88. 137-146 (1993)
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[Publications] 桂,勲: "線虫C.エレガンスの形態形成遺伝子" 実験医学. 11. 1570-1576 (1993)