1993 Fiscal Year Annual Research Report
bitho rax complexと蚕のE complexの構造と機能の比較
Project/Area Number |
05263229
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
上野 孝治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (10143504)
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Keywords | ホメオチック遺伝子 / 形態形成 |
Research Abstract |
研究代表者はカイコの形態形成を制御する遺伝子のうちE complexという遺伝子群に注目して構造と機能の解析を行なっている。この遺伝子群は腹部の体節の決定を行なうホメオテイック遺伝子群であるが、これまでの構造解析で3種類のホメオボックス遺伝子(カイコのUltrabithorax,abdpminal‐AとAbdominal‐B遺伝子、以下Ubx,adb‐A,Abd‐B遺伝子と略す)の集まったものであることを明らかにしている。即ちE complexは基本的にはショウジョウバエのbithorax complexに相当する遺伝子群であると考えられる。研究代表者は、現在E complexの機能の解析としてエンブリオの腹部の付属肢(以下、腹肢と略す)の形態形成に関する役割に焦点をあてて解析を行っている。この形態形成はE complexを構成する遺伝子のうちのabd‐A遺伝子が重要な役割を演じていると考えている。ホメオドメイン蛋白質は転写制御因子として形態形成に必要な遺伝子の発現制御を行うと考えられるが、このadb‐A遺伝子が制御する遺伝子を解析する目的で発生初期にエンブリオの腹肢の部位で発現する蛋白質を検索するという生化学的な解析を行なった。その結果、腹肢の部位で特異な高分子タンパク質(分子量270キロダルトンの蛋白質、以下270k蛋白と略す)が発現していることを明らかにした。この蛋白質に対する特異抗体を調製して解析した結果、abd‐A遺伝子が欠損したE^<Ca>変異のホモ接合体では270k蛋白が全く発現されないことを明らかにした。このことはabd‐A遺伝子の産物が270k蛋白の発現を制御していることを示唆していると考える。また抗体を用いた解析から270k蛋白は腹肢の根幹に存在する特定の細胞に局在するとを明らかにしている。このことからこの270k蛋白は腹肢の形態形成に何らかの重要な役割をしているのではないかと考えている。
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Research Products
(1 results)