1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05267202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 哲生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (40175336)
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Keywords | 視覚情報処理 / 両眼視野闘争過程 / 自発脳波スペクトル / α波減衰 |
Research Abstract |
本研究は両眼視の中でも特に時間特性が顕著に観測される両眼視野闘争過程に注目し、視覚系の競合的情報処理が時間的に如何に行われているかを解明することを目的として行われた。本研究では、脳の自発リズムのうち、α波(8-13Hz)の振幅がタスクを与えられる事により減衰する現象に基づき、視野闘争過程に関わる脳の皮質部位の推定を試みた。視野闘争は様々な刺激図形間で生じるが、視覚系の機能分化との関連を調べるため、それぞれ脳の関与する機能部位が異なると予想される、直交する2本の直線、単純な幾何学図形、異なる方向に運動する格子等を被験者に呈示して実験を行った。 本研究で得られた結果をまとめると、まず、運動格子を呈示刺激とした場合について、α波帯域において国際10-20電極配置法に従うFz,C4,T4,Pz,P4,T6,O2の部位で視野闘争時と対照とした視野融合時とのスペクトルパワーに有意な差(p<0.05)が見られ、また特に頭頂部でこの差が大きいことが上げられる。一方、β波帯域(16-24Hz)ではFz,C3,C4,T5で有意な差が見られ、またα波帯域に比べやや前方へシフトしていることが分かった。他の、静止した図形を用いた場合の結果と比較すると、静止図形ではα波帯域において差の大きく見えていた場所が後頭及び頭頂部であったのに対し、運動刺激では頭頂部で大きいという違いが見られる。このことは、呈示図形の有する主たる性質(静止,運動)により、α波の頭皮上分布が異なることを示すと考えられる。運動格子刺激の場合、α波帯域に差が見られた部位は、サルを用いた実験で上側頭溝のニューロンが、視野闘争に関与しているとの報告と位置的に符号すると思われる。以上のように、本研究によりは自発脳波、中でもα波減衰を指標にして視覚系の競合的情報処理に関与する部位のおおよその推定が行える可能性が確かめられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tetsuo Kobayashi: "A simulation study on the dynamic characteristics of neuromagnetic fields using single-moving-dipole and two-fixed-dipdes models" Physics in Medicine and Biology. 38. 1271-1282 (1993)
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[Publications] 栗城眞也: "聴覚誘発脳磁界における単一および2双極子解析" Medical Imaging Technology. 11. 538-543 (1993)
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[Publications] 小林哲生: "両眼視野闘争過程に関連したα波減衰の頭皮上分布" 人間工学. 30(印刷中). (1994)
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[Publications] Tetsuo Kobayashi: "Changes of alpha wave distribution when subjects perceive binocular rivalry" Elsevier Studies in Applied Electromagnetics in Materials. 5. 403-406 (1994)
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[Publications] Shinya Kuriki: "Characteristics of the back-ground noise in multichannel-recorded magnetic field responses" Electroencephalography and Clinical Newrophysiology. (in press).