1993 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答におけるCa^<2+>とCa^<2+>依存性タンパク質の役割
Project/Area Number |
05268240
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
飯田 秀利 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (70124435)
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Keywords | ストレス応答 / カルシウム / カルシウム結合タンパク質 / イオンチャンネル / 酵母 |
Research Abstract |
本研究の目的はストレス応答初期過程におけるシグナル伝達の分子機構をCa^<2+>シグナルを中心に,酵母を用いて解き明かすことである.前年度までに,Ca^<2+>の流入に欠損をもつ突然変異株mid1およびCa^<2+>の受容に欠損をもつと考えられる突然変異株mid2の解析を行い,MID1遺伝子産物(Midlp)は種々のイオンチャンネルの膜貫通ドメインと相同な領域をもつこと,およびMID2遺伝子産物(Mid2p)は動物のalpha-ラクトアルブミンのCa^<2+>結合領域と相同な領域をもつことを明らかにしている.本年度は,まず,Mid1pの細胞内局在部位と機能ドメインの同定,およびMid2pのCa^<2+>結合能の研究を行った.その結果,Mid1pは形質膜に貫通して存在すること,およびMid1pのC-末端ドメインは栄養増殖には必要ないが,性フェロモンの作用を受けたときのCa^<2+>流入に重要であることを明らかにした.Mid2pは大腸菌で大量生産し,部分精製し,^<45>Ca^<2+>を結合することを示した.また,Mid1変異株は53℃の熱ストレスに野生株より10倍感受性であることを明らかにした.さらに,カルモデュリンおよびカルモデュリン依存性タンパク質キナーゼIIの変異株は熱抵抗性の獲得能が野生株より低かった.以上のことから,Ca^<2+>およびCa^<2+>依存性タンパク質はストレス応答を正にコントロールしていると考えられる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 峰雪芳宣: "Loss of micvotubules in the interphase cell of onion root tipe from the cell cortex and their appearance in the cyfoplasm after freatment with cycloheximide" Plant Physiol.104. 281-284 (1994)
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[Publications] Shweta Saran: "Intracellular free calcium level and its response to cAMP stimulation in developing Dictyostelium calls fronsformed with jellyfish apoaequrim cDNA" FEBS Lett. 337. 43-47 (1994)
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[Publications] 中島(嶋田)淳子: "Determination of intracellular calcium concentration of individual host cells infected with Trypanosoma cruzi using microflourimetry" Jpn.J.Parasitol.印刷中. (1994)
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[Publications] 飯田秀利: "カルシウムによる細胞周期の制御" 細胞. 24. 283-287 (1992)
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[Publications] 飯田秀利: "Ca^<2+>による細胞増殖の制御" Annual Review 細胞生物学. 259-270 (1993)
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[Publications] 嶋田淳子: "細胞周期制御とカルシウムイオン" Clinical Calcium. 3. 1457-1461 (1993)