1993 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン誘導関節炎の発症機序の解析とその制御の研究-T細胞の抗原認識レベルに於けるマニピュレーション-
Project/Area Number |
05272221
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
垣本 毅一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20112352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 敦子 熊本大学, 医学部, 助手 (70167849)
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Keywords | コラーゲン誘導関節炎 / BB / DRラット / クラスIIMHC / ヒト慢性関節リウマチ(RA) / T細胞クローン / 関節炎誘起エピトープ / ペプチドセラピー / エピトープマッピング |
Research Abstract |
BB/DRラットのクラスII MHCのRT1Dbeta鎖のpolymorphic region(69-79)に存在するヒトRAに相関性が高いとされるHLADR1-Dw1,DR4及びDRw10などに共通して見い出される配列、RA susceptibility sequence(RASS)がBB/DRラットで発症するII型コラーゲン(IIC)誘導関節炎(CA)の発症に使用されているか否かを調べるため、RASSをMAPS法によって合成した。このRASSに対する3種類の単クローン抗体を作製し、これを用いて調べたところ、そのうちの一つ、R-2はBB/DR(RT1^u)の脾細胞を染色するが、他のMHCのラットの脾細胞は染色しないことがflow cytometryによって確かめられた。さらにこのR-2はIIC感作BB/DRラット末梢リンパ球のIICによる試験管内増殖反応を抑制する活性を有することが確認された。この精製R-2のCA発症に及ぼす効果について現在検討中である。 他方、DBA/1マウス由来で関節炎誘起活性を保持するIIC反応性T細胞クローン(K-102)を用いてヒトIIC分子のCNBrペプチド、CB11との反応性を調べたところ、関節炎誘起エピトープが存在すると想定されているCB11と強く反応することが明らかになった。そこでCB11(アミノ酸278個から成る)のアミノ酸10残基がオーバーラップする21merの合成ペプチドに対するK-102の反応性について調べた。その結果、N端60〜80のCB11(60〜80)>CB11(50〜70)>CB11(70〜90)の順に強い反応性を示し、CB11(60〜80)に関節炎誘起エピトープ(arthritogenic epitope)の存在が示唆された。現在、より詳しいlocationの同定と、このペプチド感作によってBB/DRラットがCAを発症するか否かについて検討中である。
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Research Products
(1 results)