1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05274106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斎藤 政樹 北海道大学, 医学部, 教授 (60012762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 誠一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80112093)
山形 達也 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10251654)
佐内 豊 東京都臨床医学総合研究所, 室長 (40150289)
平林 義雄 理化学研究所, 国際フロンティア, 主任研究員 (90106435)
星 元紀 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (20012411)
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Keywords | シアル酸転移酵素 / 糖蛋白糖鎖末端シアル酸 / 精子受容体活性 / 糖脂質の末端シアル酸化 / アセチル転移酵素 / GM3合成酵素 / GM1合成酵素 / 糖脂質完全欠損ミュータント細胞 |
Research Abstract |
β-ガラクトシド:シアル酸転移酵素(α2,6ST)は、ヒトBリンパ球系細胞の分化・成熟ステージ特異的に発現誘導されること、またヒト骨髄系細胞においても分化誘導に従ってα2,6STのmRNA及び酵素活性が発現誘導されることを見出した。さらに糖蛋白糖鎖の末端シアル酸化だけでなく、糖脂質の末端シアル酸化にも関与していることを遺伝子過剰発現系を用いて明らかにした(斎藤)。ホヤ、ヒトデ、ウニの卵・精子結合における糖蛋白、糖脂質の特異的分子構造及び機能について解析した。精子受容体活性の発現には、卵黄膜糖蛋白糖鎖の非還元末端L-フコース残基並びに硫酸基の存在が必須であること、先体反応誘起物質の主糖鎖フコイダン構造並びに3糖構造を明らかにした。またラットの性周期、卵胞発達に伴うガングリオシド発現変動を解析した(星)。神経系の機能を担っていると想定される微量ガングリオシド成分(αシリーズガングリオシド及びアセチル化ガングリオシド)について、単クローン抗体を用いて分子同定を進め、さらにアセチル転移酵素cDNAのクローニングに成功した。また糖脂質完全欠損のミュータント細胞を確立し、グルコース転移酵素の完全欠損が原因であることを見出した(平林)。発現クローニング法によりGD3合成酵素のcDNAの単離に成功し、酵素蛋白構造の推定並びに機能解析を行った。ブタ顎下腺よりGM3合成酵素の単離精製を進め、ラット肝細胞の成熟過程で一過性に出現するGN3結合蛋白質を見出し、構造解析を進めている。さらにTGFγ2とガラクトース結合蛋白との相同について分子レベルの解析を行った(佐内)。山形はガングリオシドGM1合成酵素の分子クローニングを進め、高崎はマクロファージのFcレセプター介在の貧食能誘導における糖蛋白糖鎖の機能を解析している。田井は系統的に作製した糖鎖特異モノクローナル抗体を用いて、哺乳動物の中枢神経系器官形成における糖鎖機能の解明を推進した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Sakai T,Kawakatsu H,Ohta M,Saito M: "Tenascin Induction in Tenascin Non-producing Carcinoma Cell Lines in Vivo and by TGF-β1 in Vitro." J.Cell.Physiol.159. 561-572 (1994)
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[Publications] Hoshi M,Takizawa S,Hirohash N: "Glycosidases,Proteases and Ascidian Fertilization." Seminars Dev.Biol.5. 201-208 (1994)
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[Publications] Ichikawa S,Nakajyo S,Sakiyama H,Hirabayashi Y: "A mouse melanoma mutant deficient in glycolipids." Proc.Natl.Acad Sci.USA.91. 2703-2707 (1994)
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[Publications] Furukawa Y,Ohta M,Terui Y,Sakoe K,Kitagawa S,Saito M: "The Role of Cellular Transcription Factor E2F in the Regulation of cdc2 mRNA Expression and Cell Cycle Control of Human Hematopoietic Cells." J.Biol.Chem.269. 26249-26258 (1994)
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[Publications] Nara K,Watanabe Y,Maruyama K,Kasahara K,Nagai,Y, Sanai Y: "Expression cloning of a CMP-NeuAc:NeuAsα2,3Gal β1,4Glcβ1,1'Cer α2,8-sialyltransferase(GD3 Synthase)from human melanoma cells." Proc.Natl.Acad Sci.USA.91. 7952-7956 (1994)
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[Publications] Kotani M,Kawashima I,Ozawa H,Ogura K,Ariga T,Tai T: "Generation of one set of murine monoclonal antibodies specific for globo-series glycolipids:Evidence for differential distribution of glycolipids in rat small intestine." Arch,Biochem.Biophys.310. 89-96 (1994)
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[Publications] 斎藤政樹: "糖鎖 I.糖鎖と生命(永井克孝、斎藤政樹、谷口直之、鈴木明身ら編著) 第I部 糖鎖は増殖と分化をコントロールする" 東京化学同人(東京), 30 (1994)
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[Publications] 斎藤政樹: "エイジングの科学-21世紀の老化研究(積田 亨編)(現代化学増刊)" 東京化学同人(東京), 28 (1994)