1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05274217
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 資正 大阪大学, 薬学部, 助教授 (40116033)
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Keywords | ガングリオシド / シアル酸 / 複合糖脂質 / セラミド / GM_3 |
Research Abstract |
複合糖脂質は構成脂肪酸組成が単一ではなく、かつ、それらアナログの分離が極めて困難なことから、任意の種類と長さの炭素鎖を有するセラミドを導入し得る一般性の高い合成法の開発は、複合脂質の生理機能解明に必須である。一方、ガングリオシドをはじめとするシアル酸含有スフィンゴ糖脂質は細胞の情報伝達や分化、増殖に関連する多彩な生理活性を示すことが知られているが、GM_3のような糖鎖が短いガングリオシドの場合には、セラミド構造の違いにより、活性発現に大きな影響を与えることが考えられる。 そこで、セラミド脂肪酸の長さと3'OH基の有無が機能発現に及ぼす影響を明らかにするために、D-グリセルアルデヒドを出発物質として合成したC8短鎖型のセラミドとその3'-デオキシ体を用いて、C8短鎖型GM_3とその3'-デオキシ体を合成した。その活性試験の結果、C8短鎖型GM_3は天然型GM_3に比べ、1/10以下の低い濃度でKB cellの増殖を抑制することが明らかになったほか、現在、合成したGM_3アナログを用いて糖鎖を認識する各種プローブ(酵素、抗体)との反応性に及ぼす効果を調べていただいている。 GM_3から派生して生合成される長い糖鎖を有するガングリオシドにはシアル酸が多く含まれるが、ガングリオシド合成研究に用いられるシアル酸は、高価な市販品が用いられているのが現状である。そこで現在、安価なグルコースを出発物質とするシアル酸供与体の合成と立体選択的なシアリル化法の開発を検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Shibuya: "Syntheses and Ionophoretic Activities of Several Analogues of Soya-cerebroside II,a Calcium Ionophoretic Sphingolipid" Chem.Pharm.Bull.,. 41. 1534-1544 (1993)
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[Publications] S.Shibuya: "Ionophoretic Activities of Macrocyclic Lactone Epoxides Synthesized from E,E-Farnesol" Chem.Pharm.Bull.,. 41. 2113-2120 (1993)