1993 Fiscal Year Annual Research Report
種々の生物機能を持つ複合糖質の化学的調製法に関する研究
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05274228
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Research Institution | Protein Research Foundation |
Principal Investigator |
豊島 正 財団法人 蛋白質研究奨励会, ペプチド研究所, 主任研究員 (40112007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝 哲夫 財団法人 蛋白質研究奨励会, ペプチド研究所, 所長 (30028089)
山本 敏弘 財団法人 蛋白質研究奨励会, ペプチド研究所, 研究員 (00230574)
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Keywords | 酵素合成 / 化学合成 / ガングリオシド / ノイラミニダーゼ / N-アセチルノイラミン酸 |
Research Abstract |
糖鎖遺伝子の解明研究を進めるにあたり純粋な複合糖質を量的に供給することが重要な課題である。我々はこれまでにシアリダーゼの逆反応を利用してシアル酸結合糖鎖の合成法を検討してきた結果、アクセプターとしてラクトースのみならずグルコースとも結合しうることが明かとなった。そこでこの反応により生成したシアリル2→6グルコースを糖鎖部分として有するM5ガングリオシドの合成を行った N-アセチルノイラミン酸とグルコースをノイラミニダーゼ(Arthrobacter ureafaciens 由来)の存在下反応して低収率ではあるがシアリル2→6グルコースが得られた。このようにして得られたジサッカリドをM5ガングリオシドへと導いた。すなわちシアリル2→6グルコースの還元末端をベンジルグリコシドに変換した後、O-アセチル基、メチルエステル基を除去しN-アセチル基をグリコイル基に変換した。再び水酸基およびカルボン酸を保護した後、接触還元により得られた還元末端のみ遊離のジサッカリドにセラミド部分を導入し、すべての保護基を除去することによりM5ガングリオシドを得ることができた。このようにして合成した化合物は^1H-NMR、PD-MSなどによりその構造を確認し、天然物との同定を行った。現在酵素反応の収率を向上させるためグルコースおよびラクトースの4-カルボキシベンジルグリコシドをアクセプターに用いて、種々条件検討を行っており実用的な方法を目指して収率の改善を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山本 敏弘: "ウニ卵中のM5ガングリオシドの化学的ならびに酵素的合成研究" 第15回糖質シンポジウム講演要旨集. 27-28 (1993)
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[Publications] 山本 敏弘: "シアル酸類およびM5ガングリオシドの合成研究" 日本化学会第66秋季年会講演予稿集. 67 (1993)
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[Publications] 山本 敏弘: "Synthesis of Ganglioside M5 from Sea Urchin Egg" Tetrahedron Lett.41, (印刷中). (1994)