1995 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成の調節機構-器官の形成と再生を制御する分子機構
Project/Area Number |
05277103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤澤 肇 名古屋大学, 理学部, 教授 (60079689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 吾朗 岡崎国立共同研究機構, 基生研, 教授 (80022581)
田中 英明 熊本大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90106906)
中村 敏一 大阪大学, 医学部, 教授 (00049397)
黒岩 厚 名古屋大学, 理学部, 教授 (20134611)
井出 宏之 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70022704)
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Keywords | 細胞認識分子 / 細胞成長因子 / ホメオティック遺伝子 / 神経形成 / 四肢形成 / 細胞分化転換 / 器官形成 |
Research Abstract |
器官の形成と再生を制御する分子機構を明らかにするため、以下の研究を行い成果を得た。 1、マウス脳で3種のカルシウム依存性の神経細胞接着分子Plexin(PL1,PL2,PL3)の一次構造を決定した。更に、これらプレキシンファミリー分子が異なった神経回路に発現することを明らかにし、この分子ファミリーが特異的な神経回路形成に関与する可能性を示した。(藤澤) 2、ニワトリ胚視蓋の後端部に発現するen,PAX5,Wnt-1相互の発現調節のカスケードを明らかにし、網膜視蓋投射パターンの形成との相関を解析した。(仲村) 3、ニワトリ受容体型チロシンキナーゼCek8が運動ニューロンの特定のサブセットの分化を制御することを明かにした。(田中) 4、肢芽の間充織細胞が部位特異的な細胞接着能を持ち、この細胞接着に関与する可能性がある3種のカドヘリンファミリー分子を見いだした。(井出) 5、Hox遺伝子(Hoxa-13)を強制発現させるとニワトリ肢芽間充織細胞の細胞接着性が変化することを明らかにした。また、Hoxa-13の標的遺伝子としてHoxa-11、Wnt5aを同定した。(黒岩) 6、肝細胞増殖因子HGFのアンチセンスを肺の器官培養に加えると管腔形成が阻害されることを明らかにし、HGFが肺の形態形成を制御する因子であるとの結論を得た。(中村) 7、β-1インテグリン抗体がニワトリ色素上皮細胞の細胞接着性を低下させ脱分化を促進することを明らかにし、色素上皮細胞の分化転換に細胞外基質との相互作用が重要な役割をはたすことを示した。(江口) 以上のように、本年度の研究により、神経系や四肢など高次な形態を備えた器官の形成・再生に関与する新たな分子・遺伝子が見いだされ、更にこれら分子・遺伝子の機能的連関が明らかにされ、多細胞高次形態の形成の分子機構の解明が格段に進展した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ohta K.,Fujisawa H.: "A novel neuronal cell surface molecule that mediate cell adhesion via a homophilic bindiog mechanism in the presence of calcium ions." Neuron. 14. 1189-1995 (1995)
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[Publications] Takagi S.,Fujisawa H.: "Expression of a cell adhesion molecule,neuropilin,in the developing chick nervous system." Dev.Biol.170. 207-222 (1995)
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[Publications] Ohta K.,Tanaka H.: "The receptor tyrosine kinase,Cek 8,is transientiy expressed on subypes of motoneurons in the spinal cord during development." Nec.Dev.54. 59-69 (1995)
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[Publications] Yonei,S,lde H.: "MRC-5 cells induce the AER prior to the duplicated pattern formation in chick limb bud." Dev.Biol.170. 542-552 (1995)
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[Publications] Yokouchi,Y.,Kuroiwa A.: "Misexpression of Hoxa-13 induces cartilage homeotic transformation and changes cell adhesiveness in chick limb buds." Genes & Dev.9. 2509-2522 (1995)
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[Publications] Nakamura H.,Nakamura T.: "Molecular cloning of Xenopus HGF cDNA,and its expression studied in xenopus early embryogenesis." Mech.Dev.49. 121-131 (1995)