1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05278113
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 勲 長崎大学, 医学部, 助教授 (80039528)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
高橋 千太郎 放射線医学総合研究所, 内部被ばく研究部, 室長 (60163268)
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Keywords | 先導的居住環境 / 人体影響 / 地下生活環境 / 大気中浮遊微粒子 / 宇宙環境 / 骨萎縮 / 宇宙放射線の影響 / 磁場による突然変異 |
Research Abstract |
21世紀に予想される先導的居住環境、すなわち地下大都市や宇宙環境などにおける生活が人間の健康に及ぼす影響を明らかにするために、種々のモデル系を用いた基礎研究を行い、以下の研究成果を得た。 1.地下大気中の浮遊微粒子の呼吸器毒性。東京都内の既存の地下生活環境で採取した浮遊微粒子は、近傍の地上部における浮遊微粒子よりも培養肺マクロファージに対して強い細胞毒性を示した。また、粒子径分布から呼吸器への局所沈着率を計算すると、地下空気中の微粒子の方が、近傍地上部の微粒子よりも、呼吸器深部における沈着率が約50%多いことが示唆された。 2.微小重力、宇宙線などの宇宙環境の生体影響。尾部懸垂モデルラットを用いて微小重力が骨を萎縮させる機構を解析した。酸フォスファターゼなどの破骨細胞の活性指標の上昇が懸垂初期に認められ、骨吸収の亢進が骨萎縮の原因の一つであることが明らかになった。このことは、骨吸収抑制剤の投与が骨萎縮を予防することからも確認された。二次宇宙線の主要な成分である中性子の遺伝的影響をショウジョウバエを用いて検討した。中性子は、DNAの2本鎖切断で生じる翅毛突然変異についてはガンマ線よりも約10倍も高い頻度で誘発した。しかし、DNA単鎖切断で生じる眼色突然変異の誘発率は中性子とガンマ線で同じであった。従って、今後は染色体の組換えに起因する放射線障害の詳細な研究の必要性が示された。 3.磁場による突然変異の誘発。8テスラの強定常磁場はショウジョウバエの眼色突然変異頻度を約2倍上昇させた。しかし、放射線に類似した作用を示すブレオマイシンと磁場を同時に作用させても、相乗効果(複合影響)は認められなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mituo Ikenaga: "Recent progress in molecular mechanism of ultraviolet light carcinogenesis" Photomedicine and Photobiology. 17. 1-3 (1995)
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[Publications] Ichio Shibagaki: "p53 Mutation,murine double minute 2 amplification,and human papillomavirus infection are frequently involved but not associated with each other in esophageal squamous cell carcinoma." Clunical Cancer Research. 1. 769-773 (1995)
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[Publications] Sentaro Takahashi: "Size distributions of suspended particulate matter in underground and above-ground air and their deposition ratios in human respiratory tract." Japanese Journal of Atmospheric Environment. 30. 391-397 (1995)
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[Publications] Sentaro Takahashi: "Concentrations of metal elements in mouse organs after intratracheal administration of coal fly ash" Journal of Toxicology Science. 20. 103-108 (1995)
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[Publications] Takako Matsuyama: "Adrenocorticotropic hormone (ACTH) increases the expression of its own receptor gene" Endocrine Journal. 42. 475-480 (1995)
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[Publications] Kazutoshi Kurokochi: "Change in the markers of bone metabolism following skeletal unloading" Environmental Medicine. 39. 21-24 (1995)