1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05278257
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
松村 芳美 労働省産業医学総合研究所, 労働環境研究部, 部長 (30209621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 三也 労働省産業医学総合研究所, 職業病研究部, 研究員
小笠原 真理子 労働省産業医学総合研究所, 労働環境研究部, 研究員
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Keywords | 半金属水素化物 / 半導体材料ガス / セレン化水素 / 吸着 / 溶出 / 排ガス処理 |
Research Abstract |
本研究は半導体産業などで材料ガスとして使用される半金属水素化物の排ガス処理法として使用される吸着法について、吸着剤自体を低有害性の物質で構成することと、使用済み吸着剤の廃棄が環境汚染の原因とならないように廃棄物処理法を含めて検討することを目的としている。対象ガスとしてセレン化水素を選び、これに対する有効な吸着剤の発見と吸着の定量化を進め、その中から吸着能力が優れ、かつ有害性が低い吸着剤を探索した。 本研究で用いた吸着剤はシリカゲルを担体とし、化学試薬として硝酸亜鉛、塩化水銀、過マンガン酸カリウム、硫酸銅を添着して調製した。これらの吸着剤を充填層としてセレン化水素を含む試験気流に対する吸着破過曲線を測定した。セレン化水素濃度は0.1〜1.0ppm、流速は300mL/minとした。吸着層の出口ガス濃度は定電位電解型アルシン検出器(DKK,ASH-276型)で連続測定した。吸着破過曲線から平衡吸着量を求めた。 使用済み吸着剤からセレンを脱着する方法として溶出法を試みた。その方法として、一定量のセレン化水素を吸着した吸着剤を精製水、希硝酸または塩酸ヒドロキルアミン溶液各5mL中に投入して超音波または加熱などの処理を加えた後、上澄み液中のセレン濃度を測定した。この方法で吸着セレンの脱着率を求めた。 成果として次のことが明らかとなった。硝酸亜鉛と塩化水銀はセレン化水素に対して等モル反応を示し吸着容量は小さい。硫酸銅はセレン化水素に対して約4倍モルの反応性を示す。過マンガン酸カリウムは吸着速度は小さいが吸着容量は600倍以上と大きい。硝酸亜鉛に吸着したセレン化水素は精製水中で76%の脱着を示したことから、低有害性で廃棄物処理も可能な吸着剤となる可能性が高い。過マンガン酸カリウムに吸着したセレン化水素は塩酸ヒドロキシルアミンで62%の脱着ができた。過マンガン酸カリウムについては吸着速度を加速する条件と脱着率の改善について検討を続ける必要がある。
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Research Products
(1 results)