1993 Fiscal Year Annual Research Report
人間の健康防御機構に及ぼす対人援助機能に関する総合研究
Project/Area Number |
05301014
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 宏二 岡山大学, 教育学部, 教授 (00087983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野辺 政雄 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90218347)
久田 満 東京大学, 医学部, 助手 (50211503)
古城 和敬 大分大学, 教育学部, 助教授 (00145351)
山田 冨美雄 関西鍼灸短期大学, 助教授 (50183687)
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Keywords | ソーシャル・サポート / 友人サポート / ネットワーク特性 / ストレス / 免疫能 / がん患者 / 精神的健康 |
Research Abstract |
ストレス状況にある人間の心身の健康防御に対して、対人援助(ソーシャル・サポート)がどのように作用するか4班に分かれて実験・調査を実施した。その結果(1)生理・免疫班:ストレス反応の免疫指標として、分泌型IgAが有効であることが確認できた。即ち、騒音ストレス負荷実験を行った結果、ストレス負荷により、分泌型IgA値は増加した。分泌型IgAが、実験場面におけるストレス反応の指標になりうることは一応確認できたが、ストレッサー消失後の回復過程までは十分確認することはできなかった。その点を次の実験で補強する必要がある。(2)心理・行動班:友人供与によるサポートと評価懸念の関連実験は、評価懸念をもたらさない友人サポートが被験者の不安度を低減させ、予測と一致した。(3)心理臨床班:国立がんセンターに初発手術で入院したがん患者の不安度(入院直後から退院直後までの6期継続調査)は、家族や主治医・看護婦からのサポートを知覚するほど低いことが見いだされた。不安とサポートの関連は、肺がん患者については予測通り負の相関が見られたが、胃がん患者については見られなかった。また肺がん患者の相関も時期によってバラツキがあり、時期、サポート源、および介入法について次年度の検討課題とする。(4)地域臨床班:平成5年10月に、岡山市の主婦700人を対象に面接調査を実施し、398票を回収した。サポートネットワーク特性でネットワークサイズが大きい方が精神的健康度(生活満足度)が高いことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)