1993 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティの社会構造とソーシャルネットワークが投票行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
05301017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飽戸 弘 東京大学, 文学部, 教授 (20008634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御堂岡 潔 東京女子大学, 現代文化学部, 助教授 (60174083)
竹下 俊郎 筑波大学, 現代語・現代文化系, 助教授 (20163397)
佐藤 誠三郎 慶應義塾大学, 総合政策学部, 教授 (50012331)
竹内 郁郎 東洋大学, 社会学部, 教授 (10013038)
内田 満 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (70063451)
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Keywords | 選挙研究 / 世論調査 / 国際比較 / 政界再編 / 選挙とマスコミ / 選挙とネットワーク |
Research Abstract |
本年度最大の課題は本調査の実施であったが、昨年7月に行なわれた総選挙の機会に、無事、全国調査を実施することができた。今回の調査は、日本新党、新生党新党さきがけなど、新党の大躍進、そして自民党、社会党などの旧政党での内部抗争の激化による政界再編成への予兆、さらには40年にわたって続いた自民党一党支配の終焉など、わが国の「政治文化の激動」を捉えた画期的調査となった。 調査は平成5年7月、総選挙直前の3日間に、訪問面接調査により行なわれた。サンプル数は、回収数1333、回収率も良好であった。調査期間をぎりぎり投票日直前の3日間に絞って調査を行なったにもかかわらず、十分妥当なサンプル数を確保できた。 研究の成果については、例えば、自民党、社会党、公明党などの、以前からある旧党と、今回新しく結成・急成長した、日本新党、新生党、新党さきがけなどで、選挙戦略が大いに異なること、特に旧党群が「組織」に依存した選挙戦略を展開したのに対し、新党群は比較的に「マスメディア」を多用するなど、明らかにされ、今後の選挙戦略の動向についても、数々の示唆が得られている。一方、合理的選択の理論に即した分析では、各政党の政策と、有権者の政策志向とは、あまり関連がないなど、日本型選挙の特質もよく描かれている。 現在、全チームメンバーが、データの集計、解析、考察、そして報告書の執筆に全力を尽くしている。今年3月末ころには、報告書の第1稿が完成の予定である。共同研究をすすめているアメリカ、ドイツ、イギリスチームも、調査を完了、現在報告書を執筆中である。調査の主要な結果については、「アメリカ政治学会」、「日本社会心理学会」などにおいて、報告する予定である。
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Research Products
(1 results)