1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05301018
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
宮島 喬 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (60011300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 尚子 , 助教授 (80017623)
辻山 ゆき子 名古屋聖霊短期大学, 講師 (10259335)
笠間 千浪 神奈川大学, 外国語学部, 講師
分田 順子 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (20173560)
梶田 孝道 一橋大学, 社会学部, 教授 (10133357)
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Keywords | 外国人労働者 / 地域 / 教育 / 医療 / 社会保障 / バイリンガリズム / 国際化 / 住宅 |
Research Abstract |
本年度の研究は、外国人労働者受入れの欧米のシステムについて文献や調査データを中心に拠りつつ把握すること、日本の地方自治体の受入れシステムについて聞き取り調査を行うこと、の二つを主眼とした。この二点に関して明らかにし得たのは以下のことである。 1.欧米に関して、ドイツの外国人労働者の住宅政策についての資料を整理し、公営および公費補助住宅における外国人の居住の問題点を明らかにし、またオランダの多文化主義教育の現状を資料から把握し、多文化と文化統合との両立の可能性について検討を加えた。以上から、今後の検討課題として(1)外国人の公営住宅入居について住宅の質、家賃についてどんな配慮が必要か、(2)受入れ国言語と母語教育とのバランスをどう現状即応的にとるか、が重要だと判断された。この点を今後日本の現状に即してもみていきたい。 2.日本の地方自治体の受入れについては、今年度は教育の問題に焦点をあてた。愛知県豊橋市を対象とし、日系ブラジル人・ペルー人の子弟の教育の現状を現地での参加観察と聞き取りによって把握した。また、川崎市、群馬県太田市などでも資料収集をした。その結果明らかになったことは、(1)教材や教員の研修が不足していて、それらの対応が急がれること、(2)来日後数年を経た外国人児童・生徒には母国語教育の導入も必要とされていること、の二点である。この点は親への面接から裏付けられたが、さらに子供への面接も必要である。 継続2年目の来年度は、教育の問題に加え、医療、社会保障について日欧の比較を試み豊橋市と川崎市で外国人および自治体担当者にたいし総合的な面接調査を行う。
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[Publications] 宮島喬: "今はじまった外国人の子どもの教育の課題" 教育評論. 12月号. 18-23 (1993)
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[Publications] 宮島喬: "Immigration and Redefinition of Citizenship in Japan" T.K.Oomen(ed.),State,Nation and Ethnie. (in preparation).
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[Publications] 宮島喬: "「相達の権利」から「統合」へ" 『世界』(岩波書店). (5月号予定). (1994)
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[Publications] 宮島喬(共編著): "『日本の外国人労働者-歴史と現在』" 東京大学出版会 1994(予定),
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[Publications] 梶田孝道(編著): "ヨーロッパとイスラム" 有信堂, 304 (1993)