1994 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校段階における情報教育カリキュラムの開発と大学教育の連続性に関する研究
Project/Area Number |
05301096
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
西之園 晴夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (90027673)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 徳治 京都教育大学, 教育実践研究指導センター, 助教授 (50228582)
石桁 正士 大阪電気通信大学, 工学部経営学科, 教授 (30076822)
香山 瑞恵 長野県短期大学, 情報科学研究室, 講師 (70233989)
下村 勉 三重大学, 教育実践研究指導センター, 教授 (80150217)
松田 稔樹 東京工業大学, 教育学科目, 助教授 (60173845)
|
Keywords | 情報教育 / カリキュラム開発 / 高等学校 / 大学教育 / コンピュータ教育 |
Research Abstract |
平成5年度で作成した中間報告書を、各都道府県の教育委員会を経て送付し、開発された3つのカリキュラム、すなわち「教養としての情報教育」「文系のための情報教育」「理系のための情報教育」の内容について、高等学校で先進的に研究している先生方の意見をアンケート調査した。その結果、全般的には新しいカリキュラムについては好意的であった。なかでも「教養としての情報教育」については、きわめて好意的で普通高校での情報教育について有望であると判断される。「理系のための情報教育」については内容が高度であるとの意見もあったが、現状では情報についての正式な教育を受けたものが少ないのでこれをもって教育内容のレベルを判断することはできない。情報科学についての高校レベルでの教育を実施するためには、さらに教研修講座を開くなどの現職教員の教育が必要である。 平成6年度では、中間報告書の内容をさらに検討して整備した。とくに「教養としての情報教育」では(1)内容が多すぎる。(2)要求内容が高すぎる、具体的指導内容が欲しい。(3)教養であっても座学的内容よりも実習的内容を多くすべだ。(4)他教科との関連性を考慮すべきである。というアンケート調査結果を考慮して改善した。「文系のための情報教育」については、教育現場での準備状況からみてワープロによる文書作成、グラフィックスによる作品制作、表計算ソフトの利用による教育は可能であると考えられる。プログラミングのような技術的な内容よりも情報化社会がもたらす社会の変化や構造についての理解、物事を論理的に捉える能力、応用ソフトを利用しての問題解決能力などの育成が望まれている。以上のような要望を考慮して内容の改善をした。「理系のための情報教育」についは教育内容を大幅に開発したが、レベルについては研修との関係もあるので、現状での意見を取り上げることには慎重であるべきである。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 林 徳治、沖 裕貴、西之園 晴夫: "タイ国地域教育センターにおける現職教員を対象とした情報教育の取り組み" 国際協力総合研修所国際協力研究誌. 9-2. 27-45 (1993)
-
[Publications] 下村 勉、小菅 晴彦、須曽野 仁志、木谷 康司: "作品制作を中心としたマルチメディア研修カリキュラムの開発と実践" 三重大学教育実践研究指導センター紀要. 15(3月末発行予定). (1995)
-
[Publications] 香山 瑞穂: "ソフトウェア修得時における初学者の理解状況の把握-情報機器の機能と役割、および相互関係について-" 長野県短期大学紀要. 第49号. 27-41 (1994)
-
[Publications] 松田 稔樹: "情報教育と情報処理教育" 電気評論. 79-10. 17-21 (1994)
-
[Publications] 波多野和彦、高橋恵子、松田稔樹、坂元昂: "各教科での情報教育実施のための教授スキル" 埼玉大学教育実践研究指導センター紀要. No.7. 33-43 (1994)
-
[Publications] 高橋 参吉、西野 達夫、西端 律子: "キーボードを利用した英語スペリング学習" 大阪府立工業港等専門学校研究紀要. 28. 21-28 (1994)
-
[Publications] 西野園 晴夫: "パソコン活用大百科" 実教出版, 128-150 (1994)
-
[Publications] 林 徳治 他8名: "情報教育のすすめ" ぎょうせい(印刷中), (1995)