Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 隆 名古屋大学, 教育学部, 教授 (70093078)
藤原 雅憲 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (10156929)
佐藤 滋 留学生教育センター, 教授 (40137592)
酒井 たか子 筑波大学, 文芸言語学系, 講師 (40215588)
才田 いずみ 東北大学, 文学部, 助教授 (20186919)
|
Research Abstract |
前年度の研究で日本語学習適性テストのパーソナル・コンピュータによる実施が受験者からも,試験実施者からも好評であることが確認されたが,現時点では,各機関で利用できるコンピュータの台数に制約があること,コンピュータの性能がまちまちであることから,受験者に斉一な受験環境を与えることが困難なことが確認され,コンピュータ利用は,望ましいが,現時点でその方向を目指すことは,時期尚早であると結論されたために,今年度は,既存の旧3版を改良する方向で研究を進めた。 (1)文法解析課題に関しては,自然言語で,かつ日本語と構造が近似するアイヌ語の使用が提案されたが,必要以上に困難度が高いと判断され,その使用はしないこととし,旧3版の使用を継続することにした。 (2)視覚情報処理課題に関しては,旧3版の問題番号5図形再認課題,9番の図形再認マスキングスライド・同時呈示をそれぞれ漢字検索課題,音節表記課題に変更した。この変更により旧3版に比べて信頼性が向上し,かつ文字習得の予測妥当性も向上したことから,有望な変更であったと現時点では考えているが,より多くのデータにもとづく検証が必要である。 (3)聴覚情報処理課題に関しては,旧3版の単音の識別問題の項目数を減らし,韻律の識別問題を増やした。音声の記憶問題では,3版で使用された単音に制限を加え,どの言語の母語話者にも用意にとらえられると考えられる子音に限定して,拍を構成した。その結果,α係数は0.12から0.68へと大きく向上した。 以上のように,問題は大きく改良され,今後さらにつめるべき課題を残しつつも,所期の目標はかなりの程度達せられた。
|