Research Abstract |
まず,英米および独仏の図書館情報学教育の実態を文献により網羅的に調査し,これとわが国の図書館情報学教育との比較を行った。その結果,欧米における図書館情報学教育は,単に図書館員養成を目指すだけではなく,民間企業等の情報関係職員の養成をも目的としており,その学問対象も,図書館の枠を越えて,記録情報(Recordable information)全般を扱うようになり,情報関係のカリキュラムが著しく増大していることが判明した。 次に,大学図書館および公共図書館の情報関係職員のヒアリングを実施し,現在わが国の図書館等の情報機関の現場において必要とされる知識ベース(知識,技術,態度)を確認した。その結果,わが国の現在の「司書および司書補の講習科目」の教育内容は図書館等の情報機関の要求にそぐわないものとなっていることが判明した。 さらに,これらの基礎調査を基に,現在日本の図書館等の情報機関で利用されている情報技術の実態調査を行い,これらの中から図書館情報学教育に利用可能な各種の情報技術を選定し,具体的には,1)日本語書誌データベースの検索,2)英語書誌データベースの検索,3)これらの書誌データを編集・蓄積・検索するためのデータベース・ソフトウエアの利用,4)外部オンライン情報検索のための通信,5)CAI教室等のLANへの対応,6)ディスプレイ画面のテレビ同時表示の6つの機能を果たすデータベース,ソフトウエア,各種情報機器の組み合わせを検討し,これらを教育の現場でも利用可能な1つの情報教育機器として統合し,その調整,テスト,評価を行い,満足する結果を得た。 来年度は,これらの研究結果を各教科の内容にどの様に組み込むかについて研究する。
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