1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05302018
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤原 昇 奈良女子大学, 理学部, 教授 (40027058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 順清 大阪大学, 理学部, 教授 (90044768)
梶川 良一 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022537)
山田 作衛 東京大学, 原子核研究所, 教授 (70011658)
高崎 史彦 高エネルギー物理学研究所, 教授 (70011749)
岩田 正義 高エネルギー物理学研究所, 教授 (80022698)
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Keywords | B中間子 / Bファクトリー / b-quark / CP非保存 / 小林・益川理論 |
Research Abstract |
物理学上の重要なテーマであるCP非保存は、b-quarkの崩壊現象に顕著に現れることが、素粒子標準理論の重要な部分を占める小林・益川理論により予言されている。本研究は、b-quarkを内包するB中間子を大量に作り出す通称Bファクトリーの実現をめざし、このために必要とされる物理学的・実験技術的な基礎研究・準備研究を行うことを主要目的としている。更に、本格的に実験が採択された場合を想定し、実験開始までの装置建設期間中に、円滑かつ効率の良い研究推進環境の整備を行うものである。 今年度は、昨年度迄に進められてきた準備研究をもとに、平成6年度にBファクトリー建設が正式に採択されることを想定し、実験提案書の完成を目指し検討を進めてきた。そして、平成5年9月には、国内のみならず国外の研究機関をも含めた実験推進グループを結成することができた。これらの研究機関の研究者の担当分野のグループ分けを行い、各分野での詳細な検討を開始した。今年度の具体的な検討課題は以下の通りである。 1.B中間子の物理に関する理論模型の詳細な検討を行う。特に、理論自身が持つ不確定な点についての研究をさらにすすめる。又、シミュレーションにより、実験で何がどこまで解明できるかを明確にする。 2.実験に使う新しい大型測定器について以下の点を具体的に検討し、設計案の基本を決定する。 (1)測定器の性能のシミュレーションを行い、それが目的とする物理にどのように影響するのかを見極める。 (2)測定器に用いられる各種の素材の基礎的な性能を確認するためのテスト実験を行う。 これらはの検討はほぼ予定通りに実行され、それらの結果を盛り込んだ実験提案書を平成6年2月に完成させ、公表した。
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