1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05302047
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西村 伸也 新潟大学, 工学部, 助教授 (50180641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日色 真帆 神戸芸術工科大学, 芸術学部, 助手 (50222237)
鈴木 成文 神戸芸術工科大学, 芸術学部, 教授 (60010667)
黒野 弘靖 新潟大学, 工学部, 助手 (80221951)
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Keywords | 設計教育 / エスキース / 設計プロセス / 設計方法 / 空間認知 |
Research Abstract |
各大学で行われている設計教育の実態をつかむため設計教育の期間を初期(設計教育のはじまり〜2年前期)・中期(2年後期〜3年前期)・後期(3年後期〜4年前期)と3つに分けて、それぞれの設計課題の組立て・内容を収集した。特に熊本大学の設計教育についてヒアリングを行い、現在行われている設計教育の特徴と問題点を詳細に調査した。(鈴木・日色・西村・黒野) また、新潟大学を調査対象に、15人の学生に週2回20分間づつ各自のエスキース内容を自由に説明させるという方法で、設計の課題全期間(8週間)にわたってプロトコルとスケッチを収集し、その特徴を分析した。空間をイメージする時に特徴的な思考操作として、2つの「視点」が組み合わされて新しい「視点」をつくるものと、同定されていたイメージ空間が新しい「視点」が生成されることで分割されるものとが認められた。空間をイメージする時には、空間の核となるような複数のイメージ空間が持たれ、この空間を元にしてエスキースの過程で新たな空間が生まれていくことが確認された。(西村・黒野) また、デザイン実習における、場のあり方や進め方、評価の仕方などのマクロな条件が、学生のデザインプロセスに与える効果を見るため、神戸芸術工科大学の課題の例から考察を加えた。1)実習の場:学生同士が刺激し合う場の形成が重要である。そのため、活気ある製図室の使い方の演出が試みられた。人数や条件を適切に考慮した共同設計が同様の効果を持つことも確認された。課題の出題方法の工夫も、AB交替課題(A、B二課題をAB順とBA順の二グループに分け互いに刺激し合う)等が有効であった。2)実習の進め方:プロセス自体もデザインの対象と捉えるよう指導することが重要である。そのため、エスキスを絵巻物状に掲示するなどプロセスの視覚化の方法が試みられた。また短期に集中する課題と、長期に積み重ねる課題との指導法の違いが検討された。3)実習の評価:学外から招くデザイナーによる多様な視点の導入と、学科の教育方針の一貫性の調停が重要である。なお、計画、構造力学、環境工学など多様な視点から捉える経験を盛り込んだ、現実のプロジェクトのシミュレーションとなる課題について検討されている。(鈴木・日色)
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