1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05302047
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西村 伸也 新潟大学, 工学部, 助教授 (50180641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒野 弘靖 新潟大学大学院, 自然科学研究科, 助手 (80221951)
日色 真帆 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (50222237)
鈴木 成文 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (60010667)
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Keywords | 設計教育 / 視点 / 設計方法 / プロトコル分析 / イメージ / エスキース / 設計課題 |
Research Abstract |
平成6年度では、2大学の学生課題「子供のミュージアム」(新大)と「集合住宅」(芸工大)を対象に、その設計プロセスを調査・分析した。設計プロセスをI期からIV期に分けて、学生ひとりひとりの空間生成でのプロトコルとエスキース内容の収集を行った。また、他大学の設計課題の組立て・設計課題内容・出題方法・エスキースの体制・講評方法のヒアリング結果からその特徴を整理した。本研究による分析結果は、以下にまとめられる。 1.「視点」の出現特性比較:「子供のミュージアム」では初期から視点が多数(10-30個)現れるのに対して、「集合住宅」では視点の出現がIV期に偏るという設計課題による相異が捉えられた。 2.「視点」の軸の特性比較:「子供のミュージアム」では、視点と軸の出現数が豊かで、視点数と軸の数とに強い相関が認められた。また、軸の派生も数多く、一つの空間から多様な空間イメージが生成されている。これに対して「集合住宅」ではこのような相関・軸の派生も少なく、限定され独立性の高いた空間イメージによって設計が進められていると捉えられた。 3.「視点」のつながり:視点のつながり方として展開・派生・複合等の7類型が分類され、各類型の出現頻度は、調査対象として課題の違いに影響されない特定の偏りをもっている。 4.空間イメージの多様性とスケッチ:視点の中で「透過」よりも「分散」が空間イメージの多様性に寄与していると考えられ、これは場の活動のイメージを代表している。さらに、空間演出の装置・特徴的な形態・空間配置のスケッチは、視点の生成を誘発する。 5.教育方法の特性:空間イメージの媒体を多様に用意する、学生相互の批評を活性させる、空間調査を課題に組み込む、評価の立場を明確に分けて演じる等の課題構成・エスキース・評価での特性が分析・整理された。
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