1993 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸域の大規模海洋構造物が及ぼす海況変化の数値解析に関する研究
Project/Area Number |
05302057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
経塚 雄策 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80177948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582)
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40155859)
内藤 林 大阪大学, 工学部, 助教授 (20093437)
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80038562)
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Keywords | 潮流解析 / 海洋環境変化 / 海上空港 / 環境アセスメント / 汚染物質の拡散 / 多重連結浮体 / 波漂流力 / 位置保持システム |
Research Abstract |
沿岸域の大規模海洋構造物の1例として有明海の海上空港をとり上げ、 主として潮汐と潮流解析、拡散の数値解析を行った。有明海は我国の内湾中で最大の千満差を持ち、干潮時には数キロにわたって干潟が出現することで有名である。潮流解析では干潟域を表現するために、移動境界を考慮できる有限差分法による数値解析法を開発した。空港設置によって周囲の海洋環境がどのように変化するかを潮位と流速について計算し、環境変化の評価関数を空港の有無によって一定の影響を受ける海域面積と定義して定量的に比較した。海上空港の形式としては埋立方式と浮体を近似した透水性のものを考え、設置位置を変えて潮位と流速の評価関数を比較した。その結果、埋立方式の一地点では空港と海岸の干渉によって潮位変化が大きくなること、その地点で浮体近似方式では変化が少ないことなどがわかった。さらに、河川からの汚染物質の拡散計算も行い、空港設置による影響を調べた。 次に、大規模海洋構造物を比較的大水深域に設置する場合には浮体方式が有利であるが、その形式にはカラム・フーティング、カラム・ローアハルなどがある。本研究では、多重連結浮体方式を考え、その波浪中の動揺性能および係留問題で重要な波漂流力について研究した。 さらに、係留された浮体で重要となる長周期動揺を減じるために、動的な位置保持システムの導入を考えた。浮体にスラスターを取り付け、スラスター推力を最適制御することによって波浪中の係留浮体の位置保持が可能であることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 経塚 雄策、川浪 健治: "干潟を考慮した有明海の潮流解析" 西部造船会会報. 第86号. 131-146 (1993)
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[Publications] 経塚 雄策、横山 和豊: "内湾の大規模海洋構造物が周辺海域に及ぼす海況変化について" 第12回 海洋工学シンポジウム. 485-492 (1994)
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[Publications] 高木 幹雄、丹後 義彦: "多重連結浮体に働く波漂流力" 第12回 海洋工学シンポジウム. 129-136 (1994)
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[Publications] 中村 昌彦、小寺山 亘 梶原 宏之、三田村友弘: "係留された浮体式海洋構造物の位置保持システムに関する研究" 第12回 海洋工学シンポジウム. 387-394 (1994)