1993 Fiscal Year Annual Research Report
衛星・航空機・地上同時観測データを用いた多元的高分解能の流域環境解析
Project/Area Number |
05302077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西尾 邦彦 東京大学, 農学部(林), 教授 (60011938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 康人 京都大学, 工学部, 助手 (40227088)
近藤 昭彦 筑波大学, 地球科学系, 講師 (30201495)
芝野 博文 東京大学, 農学部(林), 講師 (00143412)
宝 馨 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80144327)
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Keywords | リモートセンシング / 汎地球測位システム / 地理情報システム / 欧州リモートセンシング衛星 / 地球資源衛星 / 合成開口レーダー / 数値地形情報 / 森林情報 |
Research Abstract |
平成5年9月30日と10月1日の両日、東京大学愛知演習林において本研究グループの全体会議を開き、今年度及び次年度以降の研究打ち合わせを行った。 各研究分担者ごとの、本年度の研究経過は以下の通りである。 西尾・芝野は、自然の営為と森林経営により、年々に変化する流域情報の分布様式を効率的に把握することを目的として、リモートセンシング(RS)技術や汎地球測位システム(GPS)の応用法について、基礎的検討を行った。愛知演習林の白坂・東山両地区を包含する地域において、地理情報システム(GIS)のソフトウエアを林班・小林班の森林属性のデータベース化作業を進め、森林属性とRS技術から分類評価される森林流域環境との対比の下準備ができた。また、M社のGPSを2機実地に応用し、数十cmのオーダーの精度で対象地の座標を決定できることを確認した。この精度は流域内に存在する各種施設、林木を正しくプロットできる精度として評価できるものであった。 宝・立川は、欧州リモートセンシング衛星(ERS-1)と地球資源衛星(JERS-1)の合成開ロレーダー(SAR)データの特性について、池・水田・草地・森林・市街地といった種々の土地被覆を対象として検討した。SAR画像のCCT値とその分布の傾向を土地被覆ごとに求め、水域のように後方散乱の少ない滑らかな領域の判別においてはJERS-1より、ERS-1の方が優れていることが分かった。また、GPSを山林地の河道位置の測定に応用することを試みた。愛知演習林の白坂流域において、2日間にわたりS社のGPSを2機用いて計測を行ったところ、10m以上の位置誤差が確認された。さらに、平成4年の秋に実施した矢田川航空機実験で得た航空写真および20mメッシュの数値地形情報(DTM)を用いて河道位置の同定を行った。 近藤は、長久手地区における航空機MSSによる熱赤外画像と気温分布の観測結果の対比を行った。その結果、その要因を明らかにするため、地表面を構成する物質、建築物の構造等との対応関係に対する検討を継続している。赤津研究林ではDTMを水文モデルの入力データとして使用するための前処理プログラムを作成し、凹陥地の処理、水系図の作成地形計測を行った。また、分布型流出モデルに関してプロトタイプの作成を行った。
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