1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05303002
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 哲郎 東京農工大学, 工学部, 教授 (30139208)
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
安藤 勲 東京工業大学, 工学部, 教授 (20016637)
野澤 庸則 東北大学, 工学部, 教授 (10006322)
寺尾 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50093274)
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Keywords | 固体高分解能NMR / 構造生物学 / 距離情報 / 三次元構造 / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究班の成果は大きく分けて,生体分子の三次元構造を(1)非経験的に決定するアプローチと(2)それを経験的に決定しようとするアプローチに分類することができる。 生体分子の三次元構造の非経験的決定:[^<13>C,^<15>N]二重標識ぺプチドを系統的に合成し,4または7化学結合離れた標識原子間距離を回転エコー二重共鳴(REDOR)法により0.02Aの精度で測定出来ることを確認するとともに,トリペプチドに関しては距離情報のみから三次元構造の組立が出来ることを明かにした(斉藤)。直接化学結合している系ではPakeダブレットの観測が可能で,測定精度が0.002Aの精度における原子間距離測定が可能であることを示した(寺尾)。またJ結合を通じた磁化移動によりぺプチド結合の二面体角の新しい決定法を開発し,これに基づく三次元構造の組立にも発展の可能性を示すことが出来た(藤原)。なお,高度に配向させた絹フィブロインまたはその他の高分子系について,化学シフトテンソルの角度依存性をもとにした三次元構造の組立を行い,この目的には極めて良好な方法であることを確認した(朝倉)。 生体分子の三次元構造の経験的決定:生体高分子の三次元構造の形成に水素結合が重要な役割をはたしているが,化学シフト変化と水素結合距離の相関データは基礎的データとして重要であることを示すことが出来た(安藤)。さらに,高次構造とシフト相関に関しての^<15>N化学シフトの詳しいデータを得ることが出来た(荘司)。また,バクテリアセルロースにおける複合結晶に関する知見も得ることが出来た(堀井)。なお,光合成細菌におけるクロモフアと蛋白質の相互作用(野澤),生体硬組織(引地)についても研究を行った。
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