1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05304002
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鎮西 清高 京都大学, 理学部, 教授 (70011517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 裕 三重大学, 教育学部, 助教授 (60126993)
間嶋 隆一 横浜国立大, 教育学部, 助手 (30202310)
野田 浩司 筑波大学, 地球科学系, 教授 (00004341)
小林 巌雄 新潟大学, 理学部, 教授 (70018266)
近藤 康生 高知大学, 理学部, 助手 (90192583)
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Keywords | 新生代 / 底生動物群集 / 日本列島 / 群集構造 / 化石 |
Research Abstract |
この研究の当初の目的は、日本の新生代底生動物群集を対象にその変遷を総括し、群集構造の安定性と変革を考察することにあった。そのため、本年度は、これまでに記載され、またこれから記載する群集を整理し、化石群集認定の基準やカタログの形式を統一し、群集の記載を進めた。また、特定の分類群について、その機能形態を調べ、生活様式、群集中での役割、地位を考察した。 これまでに記載した底生群集は約200、カタログは総頁350を越す膨大なものとなった。しかし、それでもなお日本における新生代の主要化石産地で未記載の地域がいくつか残った。このためと、群集の記載・カタログ出版に力を注いだことによって、当初目指したような、新生代の日本列島全域にわたる群集の時空分布の総括を行うまでに至らなかった。現在までに集まったデータを基にした解析の結果の主たるものとして、西南日本太平洋岸の新第三系における群集変遷がある。暖流系の生物群が南方から進出してきた事件が、従来知られていた中期中新世初頭、鮮新世末、第四紀の温暖期のほかに、関東南部から九州までの太平洋岸で、中新世末にも存在したことが明瞭になった。この時の温暖期に初めて日本列島域に進出してきた底生動物種の中に、現在まで太平洋岸の亜熱帯水域に生存を続けているものが少なくない。これは現在の黒潮系の底生群集の起源を考察する上で重要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chinzei,K.: "Adaptive significance of the lightweight shell structure in oysters." Neues Jahrbucls,Geologie u. Palaoutologie,Abh.190. 217-227 (1995)
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[Publications] Nobuhara,T.& Tanaka,T.: "Paleoecology of Akebiconcha kawamurai from the Plioceno Tawari Silt Formation in the Kakegawa area." Paleogeogr.Palaeoclimat.Palaeoecology. 102. 27-40 (1993)
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[Publications] 田中貴世,延原尊美,小沢智生: "上部鮮新統掛川層群大日砂層からダクショウイモガイの化石産出とその意義." 貝類学雑誌. 54(印刷中). (1995)
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[Publications] Nobuhara.T.: "the relationship between bathymetric depth and climate change and its effeot on molluscan Faunas of the kakegawa Group" Trans.Proc.Pal.Soc.Japan N.S.no170. 159-185 (1993)