1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05304029
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
和田 攻 東京大学, 医学部(医), 教授 (60009933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 正悟 順天堂大学, 医学部, 講師 (40224901)
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
小林 理 神奈川県立がんセンター, 外科, 医長
中島 聰總 癌研究附属病院, 消化器外科, 副院長
小西 敏郎 東京大学, 医学部, 講師 (20126056)
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Keywords | 胃癌 / ヘリコバクター / ペプシノーゲン / 発ガン / 胃癌検診 / ROC曲線 / 特異度 / 敏感度 |
Research Abstract |
平成6年12月末現在753例の胃癌症例と、1005例の対照について、自記式アンケートと血清が収集され、血清ペプシノーゲンI(PG1)・II(PG2)と抗ヘリコバクター・ピロリIgG抗体の測定が終了した。 残血清は、-80℃で凍結保存されている。ROC曲線を描いてこれらの血清検査の最適の判定基準と(敏感度%、特異度%)を分析したところ、 40歳代で男:PG1/PG2<3.3(63.8,77.8)、女:PG2>13.4 (70.0,70.5)、 50歳代で男:PG1/PG2<3.3(61.9,63.0)、女:PG2>16.4 (60.6,53.9)、 60歳代で男:PG2>13.4 (57.6,55.1)、女:PG1/PG2<2.5(63.8,60.9)であり、若い年代ほど高い値が得られたが、間接X線に替わって胃癌検診の一次スクリーニングに用いるには十分な値でなかった。この分析には、進行癌で既に救命不能となっている症例も含まれていることから、最終的な実用性の判定には、救命可能な胃癌に限った分析を実施する必要が、また血清検査を併用して判定する方法についても検討する必要がある。 血清検査の併用に関しては目下のところ、考えられる総ての条件について敏感度・特異度を計算する「総当たり法」以外に適当な方法がないという結論であるが、他の方法や、総当たり法に測定誤差などを加味した方法についてなお検討を続けている。 ヘリコバクター・ピロリが胃癌の発ガンに関与していることが疑われているが、本研究のデータで胃癌と抗ヘリコバクター抗体陽性の関連性のオッズ比を年齢別に計算し、20歳代で、23.1、30歳代11.0、40歳代9.6、50歳代3.3、60歳代1.6と年齢と共に低くなねという結果を得た。これは胃癌症例の陽性率が87.7%から91.9%と年齢でほとんど変わらないのに対して、対照では20歳代28.0%から60歳代82.0%と、年齢の上昇に伴って陽性率が上昇するためであった。
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