1993 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の内臓脂肪量に関する総合調査研究-性差・加齢変化・地域差・成人病との関連-
Project/Area Number |
05304048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福永 哲夫 東京大学, 教養学部, 教授 (40065222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 泰雄 東京大学, 教養学部, 助手 (60234027)
湯浅 景元 中京大学, 体育学部, 教授 (10097652)
石田 良恵 女子美術大学, 教授 (10149312)
川原 貴 東京大学, 教養学部, 助教授 (60169753)
安部 孝 東京都立大学, 理学部, 講師 (90184217)
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Keywords | 内臓脂肪量 / 皮下脂肪量 / 超音波法 / MRI法 / 体表面積 / 性差 / 加齢変化 / 地域差 |
Research Abstract |
日本人の内臓脂肪量に関する総合的な調査研究を実施した。平成5年度に得られた調査結果について以下に示す。まず最初に1)超音波Bモード法を用いた身体組成推定法の開発、および2)内臓脂肪量の簡易推定法の開発に取り組んだ。超音波Bモード法を基本とした両推定法は、体脂肪率および皮下脂肪量、内臓脂肪量を推定する方法として極めて精度の高いものであった。次に上記の推定法を利用して、3)体脂肪分布、筋組織分布と血中脂質との関係に関する調査、および4)内臓脂肪量、皮下脂肪量の性差および加齢変化に関する調査を実施した。体脂肪分布と血清高比重リポタンパクとの関係では、腹部や上腕など上半身に蓄積した脂肪と高比重リポタンパク・コレステロールとの間に有意な負の相関が、大腿部の脂肪との間には正の相関が認められ、肥満のタイプが成人病の発症に大きく影響していることが観察された。また、内臓脂肪量は女性よりも男性において明らかに高く、男女ともに加齢によって大きく増加することが認められた。さらに、4)内臓脂肪量の地域差について検討するために、長寿県である沖縄県在住者と東京近郊生活者との比較を行なった。現在、内臓脂肪量の推定は形態測定から得られる体表面積の値と超音波法によって測定した皮下脂肪厚から推定している。しかし、我が国でも体型は徐々に変化してきている。そこで、初期の推定法を再確認するため、5)MRI法による体脂肪分布の実測と体表面積および皮下脂肪厚の実測値を用いた皮下および内臓脂肪量推定の比較研究を行なった。身体をMRI法によって1センチメートル幅でくまなく撮影し、皮下脂肪の分布状態を正確に実測した。また、同一被験者の体表面積を各部位ごとに実測し、超音波法による皮下脂肪厚との関係から各部位における皮下脂肪量を算出した。その結果、体表面積と超音波法から推定した皮下脂肪量は実際の値よりも幾分低く見積るものの、極めて高い精度でその量を推定できることが明かとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Abe,T.,Kawakami,Y.,Kondo,M.,Fukunaga,T.: "Prediction equations for body composition of Japanese adults by B tnode ultrasound" American Journal of Human Biology. 5(in press). (1993)
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[Publications] Abe,T.,Fukunaga,T.: "Relationships between subcutaneous fat and muscle distributions and sorum HDL-cholesterol" Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. (in press).
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[Publications] Fukunaga,T.,Abe,T.,Ishida,Y.,Kondo,M.: "Subcutaneous fat and musde distribution patterns in middo and old aged Japanese" Journal of Thernal Biology. (in press).
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[Publications] 安部孝,川上泰雄,杉田正明,新名謙二,内田一夫,和久貴洋,久野譜也,福永哲夫: "超音波Bモード法と形態学的手法を用いた内臓脂肪量の推定" 東京大学教養学部体育学紀要. 27. 45-49 (1993)