1993 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネルにおける動的構造・機能連関の先駆的研究
Project/Area Number |
05304055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
曽我部 正博 名古屋大学, 医学部, 教授 (10093428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊島 近 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (70172210)
桐野 豊 東京大学, 薬学部, 教授 (10012668)
葛西 道生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40022595)
老木 成稔 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10185176)
東田 陽博 金沢大学, 医学部, 教授 (30093066)
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Keywords | イオンチャネル / 動的構造機能連関 / クローニング / チャネル蛋白質 / 電気生理学 / 合成チャネル / クライオ電顕 |
Research Abstract |
分子生物学の成果を生かしてイオンチャネルの動的構造機能連関を明らかにする方法論的足がかりを得ることが本研究計画の目的である。本年度は主としてKチャネル分子の精製とクローニング、モデルチャネルの合成と機能解析、高分解能構造解析法の開発に力点を置き以下のような成果を得た。 (1)NG108-15細胞に発現するNGK-1とNGK-2の2種類のKチャネルをクローニングし、これをアフリカツメガエル卵母細胞や繊維芽細胞に発現させてその電気生理学的・薬理学的性質を解析した。その結果NGK-2が脳の興奮性に重要な役割を果たすことが示唆された(東田)。また電気生理学的解析が最も進んでいる筋小胞体Kチャネルのタンパク質が精製された(葛西)。 (2)Kチャネルのポア領域と不活性化ゲートに相当するペプチド(約20残基)を合成し、人工膜上で再構成することによりその性質を解析した(桐野、曽我部)。またグラミシジン(ペプチド)チャネルに系統的なアミノ酸残基置換を施すことによって電位依存性チャネルの合成に成功した(老木)。更に非ペプチド性の完全合成分子から電位依存性チャネルをつくることができた(曽我部)。 (3)アセチルコリン受容体チャネルのチューブ結晶の高分解能構造情報を検出する新しいソフトウェアの開発、およびかごめ化合物と閃光照射を利用した時間分解構造解析の新しいシステムが開発された(豊島)。 今後これらの成果を土台にして、チャネル分子の機能単位の同定とその動的構造情報の検出法の開発、さらにはチャネル機能発現の動的構造要件の解明を目指して研究を進めていく予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Naruse,K: "Involvement of stretch activated ion channels in Ca^<2+> mobilization to mechanical stretch in endothelial cells." J.Physiol.33C. 1037-1044 (1993)
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[Publications] Toyoshima,C.: "Three-dimensional cryo-electron microscopy of the calcium pump in the sarcoplasmic reticulum membrane." Nature. 362. 469-471 (1993)
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[Publications] Werkman,T.R.: "Charybdotoxin,dendrotoxin and mast cell degranulating peptide block the voltage-activated K^+ current of fibroblast cells stably transfected with NGK1(Kv1.2)K^+ channel complementary DNA" Neurosci. 50. 935-946 (1992)
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[Publications] Oiki,S: "Asymmetric gramicidin channels:Heterodimeric channels with a single F_6Val^1 residue,B iophys.J." Biophys.J.(in press).
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[Publications] Kasai,M: "Effects of ryanodine on permeability of choline and glucose through calcium channel in sarcoplasmic reticulum vesicles." J.Biochem.113. 327-333 (1993)
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[Publications] Lee,S: "Effect of Salts on Conformational Change of Basic Amphipathic Peptides from β-Structure to α-Helix in the Presence of Phospholipid Liposomes and Their Channel-forming Activity" Biochim.Biophys.Acta.1151. 76-82 (1993)
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[Publications] 曽我部 正博: "機械刺激を感知するイオンチャネル(In“イオンチャネルと疾患")(倉智編)" 羊工社, 174 (1993)
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[Publications] 曽我部 正博: "イオンチャネルの機能的再構成(In“膜学実験シリーズ1")日本膜学会編" 共立出版, 424 (1993)