1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05305009
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
渥美 義賢 国立特殊教育総合研究所, 情緒障害教育研究部, 部長 (90143552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 宏伸 東京都精神医学総合研究所, 研究員
佐藤 泰三 順天堂大学, 医学部・精神科, 講師
佐々木 日出男 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00215724)
馬岡 清人 日本女子大学, 家政学部児童学科, 助教授 (90168740)
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Keywords | 不登校 / 睡眠覚醒リズム / 睡眠相遅延症候群 |
Research Abstract |
不登校児の問題は、保護者、教育者などの多くの人々が、その改善策を模索して苦悩している。本研究では不登校児の多くに睡眠覚醒リズムの乱れが見られることから、生物学的な生体リズムの障害が、不登校の発現やその遷延にどのように関連しているかを明らかにしていくことを目的とした。 本年度は、前年度に引き続き、主に医療機関に来病した不登校児に対してアンケートによる実態調査と携帯型体動計やポリグラフィ検査による客観的データの収集を行い、コンピュータを用いて解析・検討を加えた。アンケート調査で、睡眠表を含めて、比較的十分な情報の得られた不登校児の事例は40例であった。得られたデータに基づき、睡眠覚醒リズムの障害の分類をすると、15例は睡眠相遅延症候群であり、7例は非24時間睡眠覚醒リズム障害であり、3例が非定型睡眠覚醒リズム障害であった。少数例ではあったが、携帯型体動計による、客観的な活動リズムの測定と、携帯型深部体温ロガーによる生理学的計測を行った。その結果、行動観察による睡眠覚醒リズムの障害とほぼ一致した所見を呈することが多いものの、客観的なデータと一致しない場合があり、それらの事例では不登校発現の機序が多要因で複雑であることが推測された。不登校児の場合、本人が定期的な通院をすることが困難なことが少なくなく、治療的関与に困難を伴う場合多いが、保護者の協力を得て、時間療法や薬物寮法、および光療法などを試み、学校や家庭における環境調整などと効率的に組み合わせることで、改善が得られる可能性が高くなると考えられた。
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