1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05354003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩槻 邦男 東京大学, 理学部, 教授 (10025348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
石川 統 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)
丸山 工作 千葉大学, 理, 教授 (60012267)
岡田 典弘 東京工業大学, 生命工学, 教授 (60132982)
黒岩 厚 名古屋大学, 理, 教授 (20134611)
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Keywords | 生物多様性 / 形成機構 / 分類学 / 分子生物学 / 種分化 / 系統進化 |
Research Abstract |
1.生物の多様性研究の現状を分析し、この研究の新しい展開を目指した将来構想を設定するために、生物多様性を表現形質のレベルで研究している研究者、生物多様性に関心をもちながら遺伝子など分子のレベルで研究している研究者などが全体会議(平成6年1月13日)と部会、作業部会をそれぞれ数回開き、さまざまな角度から検討を行って、次のようなことがまとめられた。 2.多様性は生命のもっとも基本的な性質の1つで、これまで主として分類学の研究対象であったが、分子生物学の発展によって生物の多様性を分子のレベルで解析することが可能になり、分子系統学の分野の進展はその現われの1つである。 3.今後は、分子系統学的研究がさらに発展するとともに、生物多様性の形成機構を分子のレベルから解析する分野が台頭、発展することが、生物多様性の研究を推進する上で大いに望まれる。 4.このような現状分析と将来構想を踏まえて、本研究に参加した研究者が主体となって「生物多様性の形成機構」の領域名で重点領域研究を申請することとした。5.また、生物多様性の研究に従事している研究者の数が減少して、もっとも基礎的な研究内容である種の同定すら容易でなくなっており、多様性研究の将来は危機的状況にある。このような状態を切り抜けるためには、研究者の養成が不可欠であり、それを可能にする研究機関の設置、充実と研究者の組織化が望まれる。
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