1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05401011
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
増谷 英樹 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (50083225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之内 靖 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (60014429)
渡辺 雅司 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90133214)
金七 紀男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00107830)
上村 忠男 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (70107829)
二宮 宏之 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (40014427)
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Keywords | ヨーロッパ / 国民意識 / ヨーロッパ経済圏 / ポルトガル / ユダヤ社会 / 民族主義 / エスニシティー / 歴史社会学 |
Research Abstract |
本共同研究の初年度にあたる1993(平成5)年度には、現在ヨーロッパに起こっている大きな変動をそれぞれの地域の専門家を中心に分析を加え、それらがもっている問題を整理してゆくことを課題として取り組んだ。具体的には、以下に掲げた、3回の合宿と1回の書評会を中心に、「内から見た」ヨーロッパと「外から見た」ヨーロッパ概念の分析を進めた。 第1回研究合宿(7月31日〜8月2日) テーマ「『ヨーロッパ』概念の史的検討」 八尾師誠「イラン立憲革命における近代ヨーロッパ政治思想」 立石博高「スペイン・ナショナリズムの形成におけるヨーロッパ概念」 第2回研究合宿(1月29日〜1月31日) テーマ「都市論から見た『ヨーロッパ』」 増谷英樹「ヨーロッパの都市について」 鈴木 茂「ヨーロッパとラテンアメリカの比較都市論」 第3回研究合宿(2月19日〜2月21日) テーマ「周辺から見た『ヨーロッパ』」 渡辺雅司「スラブ主義者から見た『ヨーロッパ』」 金七紀男「ポルトガルにとっての『ヨーロッパ化』とは」 第1回書評会(10月30日) 梶田孝道『新しい民族問題-EC統合とエスニシティ』(中公新書、1992年) 以上の結果、中欧、フランス、イベリア半島およびスラブ圏をめぐるヨーロッパ認識の歴史的諸相については、かなりの検討を加えた。残された、イギリス、イタリア等の諸地域に関しては、次年度以降の課題としたい。 また、EC統合問題、「外国人労働者問題」、並びに比較都市論といった現状の問題から、ヨーロッパ概念の新たな側面を検討した。ソ連邦やユーゴスラビア等の多民族国家の解体などとヨーロッパ概念の問題について検討することは次年度以降の課題となる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 立石博高: "スペイン独立戦争と「国民意識」" 一橋論叢. 第110巻第4号. 105-117 (1993)
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[Publications] 岩崎稔: "統治のテクノロジーとしてのポリツァイ-ヘーゲル市民社会論再考" 現代思想. 第21巻8号. 414-423 (1993)
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[Publications] 増谷英樹,鈴木茂,梶田孝道: "著者とともに語る-『新しい民族問題-EC統合とエスニシティー』" 地域研究ブックレビュー. 第11号 頁数未定. (1994)
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[Publications] 鈴木茂: "『文明』と『進歩』への接近-ブラジルにおける奴隷制廃止" 野村達朗・松下洋(編)『19世紀民衆の世界』青木書店. 99-126 (1993)
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[Publications] 増谷英樹: "歴史の中のウイーン-都市とユダヤと女たち" 日本エディタースクール出版部, 218 (1993)
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[Publications] 二宮宏之: "歴史学再考-生活世界から権力秩序へ" 日本エディタースクール出版部, 320 (1994)
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[Publications] 上村忠男: "歴史家と母たち-カルロ・ギンツブルク論" 未来社, 249 (1994)
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[Publications] 小笠原欣幸: "衰退国家の政治経済学" 勁草書房, 270 (1993)