1994 Fiscal Year Annual Research Report
多ビーム超伝導受信器による星間分子雲コアの徹底的な掃天観測
Project/Area Number |
05402003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30135298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 亮 名古屋大学, 理学部, 助手 (80212231)
小川 英夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (20022717)
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Keywords | 電波天文学 / 星形成 / ミリ波受信器 / 分子雲コア / 分子スペクトル |
Research Abstract |
研究成果 分子雲の広域掃天観測は、^<13>COJ=1-0スペクトルによって1994年末の時点で8分角という分解能で32万点、5600平方度をカバーした。これは、全天の15%の範囲に相当する。その内訳は、おうし座400平方度、白鳥座500平方度、カシオペア座1800平方度、オリオン座440平方度、へびつかい座900平方度等である。これらのデータから、計1000個以上の分子雲が同定され、各々の質量等の物理量と、星形成の有無が調べられた。これまでに得られた主な結果は、(1)分子雲の質量スペクトルが-1.5の巾指数でよくあらわされること、(2)分子雲の質量とそこで生まれる星の最大質量との間に有意な関係があること、などである。これらは、かつてなく広範なデータをもとにして導かれている点で全く新しく、今後の分子雲における星形成の研究に大きなインパクトを与えるものである。 特に個々の領域については次のような成果があがっている。 (1)銀河系中心の反対方向では、4万点をこえるデータが得られており、350個の分子雲が固定されている。^<13>CO分子スペクトル強度の大きい部分は、もれなくアイラス赤外線点源の集中した部分に対応していることが判明し、同分子スペクトルが極めてよい星形成のトレーサであることが立証された。 (2)おおかみ座では、あらたに一個の分子雲を検出し、計4個の分子雲を観測した。またHIガスとの位置的相関から、HIによってトレースされるシェル状分布とこれらの分子雲とがよく一致することを示し、ここでの星形成がHIシェルによって表される爆発的現象によって促進されていることが示された。
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[Publications] A.Abergel: "Comparative analysis of the far IR emission and the ^<13>COemission of the Taurus complex." Astrophys.J.423. L59-L62 (1994)
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[Publications] A.Mizuno: "Molecular condensation as a tracer of low-mass star formation." Nature. 368. 719-721 (1994)
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[Publications] F.Sato: "A new look at the dark cloud L1251:sensitive observations of the molecular emission." Astrophys.J.435. 279-289 (1994)
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[Publications] A.Mizuno: "A systematic study for dense cloud cores and star formation." Dusty plasma,noise,and chaos in space and in the laboratory. 493-498 (1994)
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[Publications] T.Handa: "Detection of a circumstellar gas around DM Tau:a protoplanetary disk around a single star?" Astrophys.J.(印刷中). (1995)
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[Publications] A.Abergel: "Far IR and CO(J=1-0)large scale emissions of the Taurus complex." Astron.Astrophys.(印刷中). (1995)