1993 Fiscal Year Annual Research Report
リドベルグ原子による宇宙由来素粒子アクシオンの探索
Project/Area Number |
05402005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松木 征史 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50037941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
政池 明 京都大学, 理学部, 教授 (40022587)
山本 克治 京都大学, 工学部, 助教授 (90191395)
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Keywords | リドベルグ原子 / ダークマター / アクシオン / 宇宙由来素粒子 / 空洞量子電気力学 |
Research Abstract |
1)レーザー系の整備 半導体レーザーを3個用いて、ルビジュウム原子をリドベルグ状態に励起するシステムを完成させた。第2、3段のレーザーは、室温から0度、およびマイナス50度までペルチエ素子を用いて冷却し、温度と電流のコントロールを行って発振波長の安定化を高精度に実現している。安定化は、セル中のルビジュウム原子を用いて飽和吸収分光におけるラムディップ(Lamb dip)を検出、レーザーの駆動電流に帰還をかけることで実現している。この系を用いて、テスト用の原子ビーム源(低速ビーム)で、実際にリドベルグ原子の生成を確認した。数時間以上、安定に原子励起が可能である。 2)原子ビーム源装置 アクシオンを高感度で検出するためには、空胴中を高速で(約1マイクロ秒)通過させる必要がある。このためのイオン源と加速システム(5kVまで)、中性化装置、それに関連する真空系の製作、建設を行った。現在このシステムを単独にテスト中である。 3)希釈冷凍機、共振空胴系 希釈冷凍機とマイクロ波空胴を製作、据え付けた。希釈冷凍機は、アクシオン検出に適用出来るように構造を既成の設計のものから変更し、オックスフォード社に製作を依頼した。2個の空胴を導入でき、リドベルグ原子ビームを通過させてアクシオンを探索できる構造となっている。10mKまで冷却能力がある。現在、試験運転を行なって、性能をチエックする段階となっている。
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