1994 Fiscal Year Annual Research Report
原子レベルの機械的表面創成機構の分子動力学による解明とその極限精度加工への応用
Project/Area Number |
05402030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井川 直哉 大阪大学, 工学部, 教授 (60028983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 純一 大阪大学, 工学部, 教務職員
島田 尚一 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029317)
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Keywords | 超精密切削 / 切削機構 / 計算機シミュレーション / 分子動力学 / 切削抵抗 / 仕上面性状 |
Research Abstract |
本研究は分子動力学法を応用して、原子レベルでの除去加工機構および、その加工精度の到達限界を明らかにし、その結果を実用機械加工に応用して極限精度での加工を実現しようとするものであり、今年度の主な研究成果は次の通りである。 分子動力学法を用いた計算機実験と極微小切削実験によって、種々の切削条件下で工具が安定して工作物表面を削り取り得る限界の厚さである最少切り取り厚さを求めた結果、工具切刃稜丸味半径の1/10から1/20であり、実用的な工具では1nm程度になる。また、最小切り取り厚さは被削材の変形程度が低く、工具との親和性が高いほど大きくなり、アルミニウムの切削では1.5nm程度になる。 分子動力学法を用いて切削加工精度の到達限界を決定するもう一つの要因である工具輪郭の仕上げ面への転写特性を調べたところ、銅の切削ではやはり1nm程度となり、アルミニウムではそれよりも悪くなった。 雰囲気制御されたチャンバ内で切削状態を模擬した被削材とダイヤモンドの接触加熱実験を行い、ダイヤモンドの微小損耗特性を調べた。また、分子動力学による計算機実験により、工具被削財界面の温度および被削材との物理・化学反応が生じる可能性を知る手法を開発した。
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[Publications] 島田尚一: "切削加工のミクロ機構" 日本機会学会誌. 97. 468-471 (1994)
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[Publications] S.Shimada,et al.: "Structure of Micromachined Surface Simulated by Molecular" Annals of the CIRP. 433. 51-54 (1994)