1995 Fiscal Year Annual Research Report
血流を利用し光で駆動・制御される血管内パイロットシステムの研究
Project/Area Number |
05402035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 尚正 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 存 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20212251)
井街 宏 東京大学, 医学部, 教授 (10010076)
藤正 巌 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30010028)
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Keywords | マイクロマシン / カテーテル / アクチュエータ / ガイドシステム / レーザー光 / 離脱機構 |
Research Abstract |
1.螺旋型変形アクチュエータの発明とこれを用いたガイド機構 血流の速度ベクトルにたいする吹き流しの姿勢を制御することにより、カテーテルを血流に乗せて安全にガイドできることは、昨年までの成果から理論的にも実験的にも確認できた。しかし、カテーテルの先端部に格納できる安全で微小なアクチュエータが実現できないために、カテーテルの体外側の端部からワイヤを出し入れする遠隔制御が不可欠であった。この制御は分岐部によっては困難な場合もあるために、新原理の種々のアクチュエータを考案した結果、シリコン製の微小偏芯チューブの内部に圧力(流体圧)を作用させることによって、チューブ全体を螺旋状に大きく変形可能であることが理論的にも血流シミュレータによる実験的によっても確認された。この新原理のアクチュエータをカテーテル先端部に取り付けて分岐選択の実験を行ったところ、加圧減圧の速度とタイミングを制御することにより、数回の操作で所定の分岐選択ができることが確認できた。 2.レーザ光を用いた離脱機構の考案 カテーテルにはその先端部につけた体内留め置き器具(例えば、出血を止めるための栓の機能を果たす微小コイルなど)を所定の部位で離脱できることが求められるが、この離脱機構は上記のガイド機構と組み合わせ可能でなくてはならない。この条件を満たす離脱機構として、留め置き器具とカテーテル端部を易融合金の部品により接続しておいて、光ファイバーを介して導かれたレーザー光で加熱分離する方法を考案した。実際に、兎を使った動物実験により生体内で所定の離脱が可能であることが確認できた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中島尚正,他: "血流を利用した血管内カテーテルガイドシステムの研究" 日本機械学会論文集. 61. 142-149 (1995)
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[Publications] 中島尚正,他: "血管内手術のためのレーザ光を用いた新しい離脱法-動物実験への応用-" 薬理と臨床. (予定). (1996)