1994 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能電子顕微鏡像の定量化とそれによる精密結晶構造解析法の確立
Project/Area Number |
05402048
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 直之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60201977)
進藤 大輔 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (20154396)
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Keywords | 精密結晶構造解析 / 高分解能電子顕微鏡 / スロースキャンCCDカメラ / 結晶構造解析 / 残差因子 |
Research Abstract |
本年度は、高分解能電子顕微鏡像および電子回折パターンの定量化をとうして、精密構造解析に向けたソフトの開発と実際の解析をとうして種々の問題点を解決することを行なった。その成果は次のようにまとめられる。 1)高分解能電子顕微鏡観察像の定量化に成功し、定量化された高分解能像と運動学近似を用いた計算像とのマッチングを、確からしさを示す残差因子(回折法のR因子に対応する)を導入して行なった。試料厚さ、フォーカスおよび構造モデルをパラメータとして、残差因子を最小になるように計算機シミュレーションを行ない、構造モデルの精密化を図るプログラムを完成し、実際の超伝導酸化物の高分解能像に応用した。 2)スロースキャンCCDカメラの高感度特性を利用して、電子線によって容易に結晶構造が壊れることが知られているゼオライトの高分解能像の観察に成功した。その観察像を定量化して、計算機を用いて画像処理と計算機シミュレーションとのマッチングを行ない、構造モデルとの差のフーリエから、結晶格子のすきまに入ったNi原子位置を決定する精密構造解析に成功した。 3)軽い元素で構成され、隙間の夛い結晶構造をとる特徴を生かして、薄い結晶から撮られたゼオライトの電子回折パターンが運動学近似で表わされることを見いだし、電子回析パターンの定量化を図り、高分解能像と回折パターンの両者を用いた結晶構造解折から精密構造解析が行なわれることを見いだし、結晶隙間に入ったNi原子位置の精密化を行なった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] D.Shindo: "Quantitative High-Resolution Electron Microscopy with a Residual Index" Proc.ICEM 13-PARIS. 359-360 (1994)
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[Publications] T.Oikawa: "Fading Characteristic of Imaging Plate for a Trans mission Electron Microscope" J.Electron Microsc.43. 402-405 (1994)