1995 Fiscal Year Annual Research Report
極微小試料のアルゴン-アルゴン年代と希ガス同位体比に基づいた地球進化の研究
Project/Area Number |
05403001
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 助教授 (40206909)
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Keywords | 地球進化 / 微小試料 / アルゴン-アルゴン年代 / アルゴンレーザー / プラトー年代 / 希ガス / 同位体組成 / 岩石 |
Research Abstract |
本研究では地球進化を解明するための手段として、微小試料を用いて年代及び希ガス同位体比を測定する方法を確立し、それらの応用を行うことを目標とした。そのために、岩石や鉱物からのガス抽出のためにアルゴンレーザーを用いることにより、数mg以下の試料から分析に必要なガス抽出を行えるシステムを開発した。本研究で対象とする試料からの脱ガス量がきわめて少ないので、システムそのものからのバックグラウンドを最小限にするために、用いる真空計やガスの精製部分について脱ガスの少ない材質を使用すると共に、システム全体の容量が可能な限り小さくなるようにした。抵抗炉を用いた段階加熱に相当する脱ガス法をアルゴンレーザーによって行うための基礎実験を繰り返した。中性子照射を行った雲母鉱物粒などに対して、レーザーの出力を調整することにより段階加熱に相当する脱ガス法を行うことができ、それを利用してアルゴン-アルゴン法によるプラトー年代を求めることが出来た。2億年程度の年代においてはこれまでの方法によって得られたアルゴン-アルゴン年代に比較しても十分な精度を得られているので、それより古い年代の試料に対しては実用上十分に本方法が適用出来る。しかし1000万年より若い年代の試料に対してはその精度の点で問題が残っている。またレーザー加熱により、約20億年前にカナダに噴出したコマチアイトから希ガス抽出を行い、その希ガス組成を同様の方法で得た玄武岩中の希ガス組成と比較した。その結果、放射性起源のヘリウム、アルゴン以外の希ガスに関しては、測定精度内では両者に有意な差を見いだすことが出来なかった。本研究で扱った限られた岩石試料の範囲内においては、放射性起源以外の希ガス同位体組成には有意な変化は認められず、地球進化の解明にはさらに広範囲の試料を用いた詳細な検討を必要とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 兼岡一郎: "希ガス同位体比に基づいた地球内部の化学的構造と進化への制約" 地震. 48. 187-198 (1995)
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[Publications] Kaneoka,I.: "Noble gas constraints on the plume souces in the Earth's deep interior" The Earth's Central Part:Its Structure and Dynamics,ed.by T.Yukutake. 343-355 (1995)
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[Publications] Kaneoka,I.: "^<40>Ar-^<39>Ar analyses of Juvinas fragments from a large block" Proc.NIPR Symp.Antarct.Meteorites. 8. 287-296 (1995)
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[Publications] 兼岡一郎: "放射年代測定における基本的な問題-年代測定における“年代"" 第四紀研究. 34. 261-264 (1995)
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[Publications] 岩田尚能: "レーザー加熱^<40>Ar-^<39>Ar年代測定法で岩石の形成年代を調べる" 東京大学アイソトープ総合センターニュース. 26. 2-3 (1995)
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[Publications] Kaneoka,I.: "^<40>Ar-^<39>Ar and noble gas analyses of a H-type clast included in shocked L-chondrite from Antarctica" AGU Monograph:Earth Processes,Reading Isotopic Code. 95. 21-31 (1996)