1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05403004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三上 直彦 東北大学, 理学部, 教授 (70004447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前山 俊彦 東北大学, 理学部, 助手 (20250673)
藤井 正明 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (60181319)
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Keywords | 分子クラスター内反応 / 分子クラスター構造 / クラスターの赤外分光 |
Research Abstract |
本研究は次の2項目について、レーザー分光法による総合的探索を行うことを、目的としている。 1.クラスター内イオン・分子反応の誘発とその反応性の分子間配向効果 2.クラスター内の反応分子体を利用した化学反応中間体の生成とその構造解析 本年度の主な研究成果は次の通りである。 (1)ジォット冷却された分子クラスターカチオンの効率良い生成法の開発およびそれを用いたフェノール水素結合クラスターイオンの可視紫外分光研究超音速分子線ノズルを改良して、親分子を多光子イオン化後さらに衝突領域が存続する様にした。それにより高い効率で分子クラスターイオンを生成することができ、しかもジェット冷却されたイオンが生じることが判明したので、従来の方法では得られなかった電子スペクトルの微細構造が観測できた。その結果に基づいてクラスターイオンの分子間ポテンシャルを議論した。 (2)赤外・紫外二重共鳴分光法の開発とそれを用いたフェノール・水クラスターのOH伸縮振動領域の赤外分光研究 分子クラスター構造を解明する目的で、赤外領域の新しい分光法の一つである赤外・紫外二重共鳴分光法を開発して、OH伸縮振動領域の赤外分光をフェノール・水クラスターについて適用した。フェノール単体のみならず水クラスターとの水素結合体のOH伸縮およびCH伸縮振動領域の分光計測が容易になり、分子クラスター構造を研究するための分光法として極めて有効であることを提示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Naohiko Mikami: "Stable forms of the phenol-complex cations as revealed by trapped ion photodissociation spectroscopy" Chem.Phys.Letters. 202. 431-436 (1993)
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[Publications] Sigeki Tanabe: "OH Stretching vibrations of phenol-(H_2O)_n(n=1-3)complexes observed by IR-UV double-resonance spectroscopy" Chem.Phys.Letters. 215. 347-352 (1993)
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[Publications] Ken Takazawa: "Internal rotation of the methyl group in fluorotoluene cations as studied by pulsed field ionization-zero kinetic energy spectroscopy" J.Chem.Phys.99. 3205-3217 (1993)
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[Publications] Masaaki Komatsu: "Rotational analysis of n=4-7 Rydberg states of CO observed by ion-dip spectroscopy" J.Chem.Phys.99. 9350-9365 (1993)
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[Publications] Shin Sato: "Electronic spectra of jet-cooled cations of hydrogen-bonded complexes of phenol" Spectrochim.Acta. (in press). (1994)