1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05403009
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
吉川 雄三 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (30022643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 泰重 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40116455)
小島 正明 岡山大学, 理学部, 助教授 (20022725)
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Keywords | 八面体ケイ素錯体 / 六配位ケイ素錯体 / 立体化学 |
Research Abstract |
初年度には、八面体ケイ素(IV)錯体であるトリス(1.10-フェナントロリン)ケイ素(IV)錯体について詳しく研究した。二年目の本年度は、ケイ素(IV)錯体のタイプを増やし、それぞれの研究を発展させた。 1)トリス2.2°-ビピリジン)ケイ素(IV)錯体を合成し、その光学分割を、天然の酒石酸をベースとした四種類の溶離剤を用い、イオン交換クロマトグラフィーにより試みた。この錯体は上記の1.10-フェナントロリン錯体と類似の構造であるにもかかわらず、共通の溶離剤に対して分割効率がかなり低かった。特筆すべきは、溶離剤によって光学活性体溶離順の逆転があったことである。現在、これらの溶離機構を解明しつつある。 2)トリス(ヒノキチオラト)ケイ素(IV)錯体の合成と異性体の分離分割を行った。天然に存在すると報告されている化学種であるが、新たに合成し、その性質を調べた。幾何異性体(mer と fac)が存在することを^1HNMRスペクトルおよび高速液体クロマトグラフィーにより示すことができた。タルトラトアンチモン酸カリウムを用いての鏡像異性体への光学分割にも成功した。 3)トリス(8-ヒドロキシキナルジン-N-オキシド)ケイ素(IV)錯体の合成も行った。異性体の分離分割は現在続行中である。 4)各種シッフ塩基を配位子とするケイ素(IV)錯体については、これまでのところ、水溶液中で安定なものを見出すことはできていない。 5)シラトラン誘導体の合成を行い性質を調べた。この錯体は本研究課題には含まれない五配位のものであるが、その特異な生理作用から、天然にも何らかの重要性を有していると考え加えた。 6)トマトの栽培において、無ケイ素障害はリン過剰症の疑いもあるのでその点を慎重にチェックしている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小島正明: "Green and Orange Crystalline Forms of [VO{N-Salicyliclene-N´-3-eisxysaticy tidene-(R,R)-1,2-cycls hexanediamine}],Separation of the Diastereomeric Pair,and Isomerization between Them in the Sdid State" Chemistr,Letters. 1994. 949-952 (1994)
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[Publications] 中島清彦: "Isomerization of a Diastereomeric Oxovanadium(IV)Compex Containing an Unsymmetrical Tetradentate Schiff Base Ligord Catclyzet in Oxovanadium(V)Species" Chemistry Letters. 1994. 1593-1596 (1994)
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[Publications] 小島正明: "Photochemistry of Tris(L-cysteinesulfinato-N,S)∞e=Ltate(III),Linkage Isomerisation from Sultinato-S to Sultinato-O" Proceedings of the Japan Academy. 70B. 101-105 (1994)
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[Publications] 広津昌和: "Steric Control of Redox Potentials of Cobalt(II)Schiff Base Conplexes with Pheny L Sebstitnents" Chemistry Letters. 1994. 2183-2186 (1994)
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[Publications] ファル-ク MD.アクタール: "Phstschemical Reaction of(L-cysteinesulfinato-N,S){tris(2-aminoethy L)amine}∞balt(III).Formation of a Cobalt(II)Csmplex with an Uncoordinated Sulfinate Gronp" Chemistry Letters. 1994. 2393-2396 (1994)
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[Publications] 黒田泰重: "Dielectric Bahavior in the SrF_2-H_2O System.1.Measurement at Room Temperature" Langmuir. 11. 259-264 (1995)