1995 Fiscal Year Annual Research Report
ベシクルのフラクタル凝集と融合過程における分子間力の役割
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05403012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今栄 東洋子 名古屋大学, 理学部, 助教授 (80101161)
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Keywords | ベシクル / フラクタル凝集 / 融合 / 電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / LB膜 / 分子間力測定装置 / 小角中性子散乱 |
Research Abstract |
ベシクルの融合や破壊を含む機能性はベシクルの構成単位である二分子膜の安定性と深く関係する。そこで、種々の二分子膜形成能をもつ両親媒性分子をLangmuir-Blodgett(LB)法によって二次元的に組織化し、分子の性質と分子配列との関係を検討した。アラキジン酸のLangmuir膜は典型的な固体膜状態に対応する表面圧π-面積A等温線を示した。そのLB膜を原子間力顕微鏡(AFM)によって観察したところ、アラキジン酸分子は斜方晶系に配列していた。オクタデシルジメチルアミンオキシドの単分子膜は膨張膜に相当し、二次元的配列は液体状であった。しかしながら、膨張膜を一定圧で放置すると占有面積が縮少し、固体膜のドメインが生成した。これは親水基に水和していた水分子が水中に引き込まれる過程が非常にゆっくりと進行することに対応する。塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウムは気水界面ではイオンの静電反発により膨張した単分子膜挙動を示すが、より高い表面圧では固体膜が部分的に形成されていた。桂皮酸ジオクタデシルジメチルアンモニウムは塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウムと同様なπ-A等温線を示したが、占有面積は時間とともに約2倍まで膨張した。これはイオン対を形成して親水基と水との界面に位置していた桂皮酸が単分子膜の疎水部に貫入したためであると解釈できる。これらの結果は親水基の種類が引き起こすベシクル間の相互作用力の違いがベシクルの凝集と融合に影響することを示唆する。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 林秀子 他3名: "Aggregation Numbers and Shapes of Lysophosphatidylcholime and Lysphosphatidylethanol amina Miclles" Chemistry Letters. 2407-2410 (1994)
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[Publications] 中村和吉 他4名: "Stability and Size Control of Reverse Vesicles." J.Colloid Interface Sci.170. 367-373 (1995)
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[Publications] 今栄東洋子 他6名: "Photocyclodimerization of Cinnamic Acit on a Reaction Matrix : stractural Effect of Molecular Assembries Constructed by Amphiphitic Compunds." J.Phys.Chem.99. 6046-6053 (1995)
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[Publications] 今栄東洋子、木戸秋悟: "Solution Properties of Fibrous Chains Constructed of Amphiphilic" J.Jpn.Oil.Chem.Soc.44. 301-308 (1995)
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[Publications] 垣谷稔、今栄東洋子、古坂直弘: "Fuvestigation of Mixed Micelles of Dodecyldimethylamine Oxide and sodium Dodeoyl Sulfate by SANS : Shape,Size,Change,and Interaction" J.Phys.Chem.99. 16018-16023 (1995)
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[Publications] 森理、今栄東洋子: "AFM Observation of Monolayers of Arachidic Acid,Octadecyldinethylamine Oxide and Their Mixlures" Langmuir. 11. 4779-4784 (1995)
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[Publications] Hoffmann 他26名: "Structure and Flow in Surfactant Solutions" アメリカ化学会, 410 (1994)
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[Publications] 加藤貞二 他15名: "コロイド科学実験法" 東京化学同人, (1996)