1994 Fiscal Year Annual Research Report
超高精度熱量測定による配向分子集合体の混和性の研究
Project/Area Number |
05403014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 欣士 九州大学, 理学部, 教授 (00037186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宜弘 福岡女子大学家政学部, 助教授 (30211030)
荒殿 誠 九州大学, 理学部, 助教授 (20175970)
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Keywords | 配向分子集合体 / 超高精度熱量計 / 混合熱 / ミセル |
Research Abstract |
サーマルアクティビィティモニターにより、非イオン性界面活性剤であるテトラエチレングリコールモノオクチルエーテルと水との混合熱を、活性剤の重量モル濃度と温度の関数として精密に測定した。測定装置が超高感度であるために最適実験条件の設定に多くの時間を要したが、測定装置の感度及び測定精度を十分に満足する結果が得られるようになった。以下にその測定結果と熱力学的解析により得られた情報の内の幾つかを述べる。 1.混合熱は負であり、活性剤濃度の増加及び温度の低下にともないその絶対値は大きくなった。この系の臨界ミセル濃度(CMC)と思われる濃度近傍を境に混合熱の濃度依存性に大きな変化が観測された。 2.混合熱の濃度による変化が最大である濃度をCMCと定めた。CMCは温度の上昇により低下した。 3.測定結果の熱力学的解析により、液体状態にある純界面活性剤がモノマーとして溶解するとき及びミセルとして溶解するときのエンタルピー変化が計算された。25℃において活性剤1モルあたり前者の値は約-38kJ、後者は約-20kJであった。この結果は活性剤と水とは強く相互作用することおよび相互作用は活性剤の溶存状態に大きく依存していること示している。 4.ミセルが形成のエンタルピーは約18kJであることが示された。今回得られたミセル形成のエンタルピーおよびその温度依存性は、表面張力測定により得られた結果と近いことが示された。
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