1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05403027
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 真二 大阪大学, 工学部, 教授 (00029050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 浩一 大阪大学, 工学部, 助手 (90213636)
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Keywords | アシルリチウム / カルバモイルリチウム / 転位 / 環化 / β-脱離 / カルバモイルシラン / [4+1]シクロカップリング / 一酸化炭素 |
Research Abstract |
1.トリアルキルシリル基の転位を伴うリチウムアミドと一酸化炭素の反応 リチウムアミドもアルキルリチウム同様、一酸化炭素と反応しカルバモイルリチウム[RR'NC(O)Li]を発生する。カルバモイルリチウムはアシルリチウムに比べて比較的安定であるが複雑な反応を起こすことが多い。この反応の制御としてケイ素の転位を用いた。リチウムN-シリルアミドと一酸化炭素との反応を検討した。窒素上に2、6-キシリル基を持つシリルアミドを一酸化炭素と反応させ、よう化メチルで処理したところカルバモイルシランが得られた。ケイ素の窒素上からカルボニル炭素上への転位が起こったことを示している。また、本反応を効率よく進めるには、芳香環の2、6位の置換基が重要である。本反応によりこれまでその化学があまり知られていないカルバモイルシラン類の合成が可能になった。 2.C-リチオアルジミン、N-リチオケチミンと一酸化炭素の反応[4+1]シクロカップリング 2、6-キシリルイソニトリルにtert-ブチルリチウムを付加させて得られるC-リチオアルジミンと一酸化炭素との反応により、3H-インドールが得られた。カルボニルリチウムがC-N二重結合を通じて芳香環と2位で環化した後、その位置のメチル基の1、5移動によってインドラートに至ったと考えられる。本反応は、芳香環の関与した形式的[4+1]シクロカップリングと見なせる。次に、ベンゾニトリルとtert-ブチルリチウムから調製したN-リチオケチミンと一酸化炭素との反応を検討した。一酸化炭素との反応後、系をよう化メチルで処理したところ、イソインドール誘導体が得られた。この反応も、形式上[4+1]シクロカップリングであり、芳香環の一部が環化に関与した後、水素の1、5移動を伴い生成物に至ったと考えられる。 3.リチオアジリジンの環拡大カルボニル化によるβ-ラクタムの合成 β-脱離を利用したアシルリチウムの反応性制御として、脱離基が求核剤を兼ねる反応系を設定した。メチレンアジリジンのリチオ化は、sec-プチルリチウムにより容易に起こる。このようにして発生させたリチオアジリジンを低温下、常圧の一酸化炭素と反応させたところアジリジンの炭素-窒素間に一酸化炭素の挿入したβラクタムが得られた。一酸化炭素との反応後、種々の求電子剤で処理すると、種々のβ-ラクタムをone-potで合成できることが明らかとなった。
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[Publications] A.Orita: "Reactions via Carbonyl Anions.[4+1]Cyclocoupling of the Azadienyllithium with Carbon Monoxide" J.Org.Chem.59. 477-481 (1994)
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[Publications] A.Orita: "The Reaction of Carbamoylcopper with a Silyl Chloride to Give a Carbamoylsilane" J.Org.Chem.(印刷中). (1994)
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[Publications] A.Orita: "Reaction of Lithium Silylamides with Carbon Monoxide Leading to Carbamoylsilanes" Organometallics. (印刷中). (1994)