1994 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球造血因子の多面的生理作用と生合成の制御に関する研究
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05403030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆造 京都大学, 農学部, 教授 (60077378)
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Keywords | エリスロポエチン / 神経系 / シアル酸 / アストロサイト / 神経細胞 / 酸素分圧 / 神経細胞死 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
エリスロポエチン(EPO)は、赤血球前駆細胞に特異的に作用して、赤血球への分化と増殖を促進すると信じられてきたが、中枢神経系においてEPO・EPO受容体系が機能していることを発見した。すなわち神経細胞がEPO受容体を発現し、神経細胞をとりまくアストロサイトがEPOを生産していることを明らかにした。EPOは赤血球系ではエンドクライン様式で作用するのに対し、神経系ではパテクライン様式で作用することが判明した。そこで腎臓で生産され血中を流れるEPO(血清EPO)とアストロサイトの生産するEPO(脳EPO)について、EPO依存性細胞株EP-FDC-P2を用いて活性を比較した。その結果、脳EPOの方が2倍活性が高かった。またRCAやWGAレクチンに対する結合性を調べたところ、脳EPOは糖鎖末端のシアル酸含量が血清EPOに比べて少ないことが明らかになった。そこでSDS-ゲル電気泳動により、両EPOの分子サイズを測定したところ脳EPOの方が僅かに小さかった。ついで両者をシアリダーゼ処理すると分子サイズは一致した。末端のシアル酸は、血流中での安定性に重要であるが、in vitroの活性発現には必要でなく、むしろ活性を低下させることが知られている。これより脳EPOは、シアル酸をつけないことで血清EPOより活性を高め、パラクライン様式に適応していると考えられた。 EPO産生の最も重要な因子は酸素分圧が低下することであり、脳EPOも低酸素圧になると顕著に産生誘導される。そこで脳虚血時におけるグルタミン酸による神経細胞死をEPOが抑制できるかどうかを、胎生18日のラット胎児海馬神経細胞を用いて検討した。その結果、EPOはグルタミン酸による海馬神経細胞死を90%抑制し、非常に効果のあることが判明した。EPOの神経系での生理作用とその機作についてさらに検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Seiji Masuda: "A novel site of erythropoietin production:oxygen-dependent production in cultured rat astrocytes" Journal of Biological Chemistry. 269. 19488-19493 (1994)
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[Publications] Yasuo Kitagawa: "N-glycosylation of erythropoietin is critical for apical secretion by madin-darby canine kidney cells" Experimental Cell Research. 213. 449-457 (1994)
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[Publications] Masaki Okano: "Retinoic acid up-regurates erythropoietin production in hepatoma cells and in vitamin A-depleted rats" FEBS Letters. 349. 229-233 (1994)
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[Publications] Seiji Masuda: "Characterization of erythopoietin receptor on two neuronal cell lines" Animal Cell Technology:Basic & Applied Aspects. 6. 567-573 (1994)