1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長田 敏行 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10012519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 陽介 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90183855)
馳澤 盛一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40172902)
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Keywords | 分化の全能性 / オーキシン / 形質転換植物 / 転写制御 / 脱分化 / 再分化 |
Research Abstract |
脱分化過程が同調的に進行することで、機構回析に好適と考えられるタバコ葉肉プロトプラストの培養初期よりオーキシンにより発現制御される遺伝子parA,parB,parCは、前年度までに単離されていたが、今年度は特にparBに関して、オーキシンによる遺伝子発現制御に関わるシス領域の解析が進んだ。parBプロモーターとレポーター遺伝子GUSとを結合した遺伝子を導入したタバコ形質転換体において、5′非翻訳領域の上流側からの切除およびいわゆるGain-of-functionの実験から、オーキシン応答領域は、49塩基対まで狭められ、シスエレメントとほぼ判断してよい塩基配列が定められた。興味あることはこれまでオーキシン応答エレメントといわれてきたAs-Iの役割をほとんど否定するもので、生理学的にも意味のあるオーキシン応答エレメントが初めて同定された。また、これに対応するトランス因子も推定できた。組織特異的発現に関しては、この定められたオーキシン応答領域は、発生・分化とともに応答の様式が変化していくことが示され、独自の成果が得られた。 一方、再分化過程については、デフェレンシャルスクリーニングで、遺伝子を探索したところ、茎葉分化と関連して発現する遺伝子として単離された遺伝子は、既に脱分化過程で単離していたparAおよびparCと同一であり、両者の関連の解析が新たな研究の対象となった。 なお、脱分化状態の維持に関連して発現すると考えられる遺伝子arcAについては、遺伝子産物をに大腸菌に多量に生産させ、これを抗原にして抗体を作ることができ、蛍光抗体法で細胞内局在を、また免疫沈降法で結合して機能すると推定されるタンパク質の探索への道を拓き、植物細胞での信号伝達経路の解明に糸口を付けた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Takahashi,Y.et al.: "Expression of the auxin-regulated parA gene in transgenic tobacco and nuclear localization of its gene products." Planta. (印刷中).
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[Publications] Takahashi,Y.et al.: "Auxin-regulated genes." Plant Cell Physiol.(印刷中).
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[Publications] Takahashi,Y.et al.: "Function and modulation of expression of auxin-regulated genes." Internatl.Rev.Cytol.152. 109-138 (1994)
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[Publications] Nagata,T.et al.: "Genes involved in the dedifferentiation of plant cells." Internatl.J.Develop.Biol.38. 321-327 (1994)
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[Publications] Nagata,T.et al.: "The origin and organization of cortical microtubules during the transition between M and G_1 phases of the cell cycle as observed in highly synchronized cells of tobacco BY-2" Planta. 193. 567-572 (1994)
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[Publications] Hasezawa,S.et al.: "Oblique cell plate formation in tobacco BY-2 cells originates in double preprophase bands" J.Plant Research. 107. 355-359 (1994)
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[Publications] 長田 敏行、内宮 博文(編): "植物の遺伝子発現" 講談社サイエンティフィク, 238 (1995)