1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404005
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
新免 輝男 姫路工業大学, 理学部, 教授 (80114510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 悦雄 姫路工業大学, 理学部, 助手 (80212299)
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Keywords | 原形質流動 / アクチン / ミオシン / サイトカラシン / 根毛 / 花粉管 |
Research Abstract |
植物の細胞内では一般的に活発な原形質流動がみられ、細胞内における物質や細胞小器官の輸送に重要な役割をはたしている。その流動力はアクチン・ミオシン系によって発生していると考えられている。蛍光標識した抗体やファロトキシンを用いると、植物細胞内のアクチンフィラメントは容易に観察することができる。本申請者は近年、テッポウユリ花粉管をもちいてミオシンに関する研究を続けてきた。その結果、ミオシンは170kDの重鎖を含むこと、ATPaseがアクチンフィラメントによって著しく高められること(actin‐activated ATPase)、Actin‐actovated ATPaseやアクチンフィラメントとの滑り運動がカルシウムによって阻害されることなどを明らかにしてきた。 我々はテップウユリ花粉管から精製したミオシン重鎖に対するポリクローナル抗体を作製することに成功している。植物から直接ミオシン分子を精製して、それに対する抗体の作製に成功したのは我々が初めてである。今年度はこの抗体を用いて様々な植物細胞内におけるミオシンの局在に関する解析を行った。その結果、ミオシンは様々な細胞小器官の表面に結合していることが明かとなった。これまで、生理学的な研究によって、ミオシンが細胞小器官の表面に結合した状態で滑ることによって原形質流動が起こることが示唆されてきたが、本成果はこれを支持するものである。 このほかに、本申請者らはトチカガミの根毛における原形質流動とtransvacuolar strand(TS)におけるアクチンフィラメントの役割についての解析を行った。即ち、サイトカラシン処理によってアクチンフィラメントを壊すと、原形質流動の阻害と共に、TSの崩壊が見られた。サイトカシンを除去すると、これらはすべて回復した。また、ミカロライドにも同様な作用が見られたが、その作用は不可逆的であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yokota & Shimmen: "Isolation and characterization of plant myosin from pollen tubes of lily" Protoplasma. 177. 153-162 (1994)
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[Publications] Shimmen & Yokota: "Physiological and Biochemical aspects of cytoplasmic streaming" Intntl.Rev.Cytol.155. 97-139 (1994)
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[Publications] Shimmenほか3名: "Characean cells as a tool for studying electrophysiological characteristics of plant cells." CellStruct.Funct.19. 263-278 (1994)
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[Publications] Shimmen: "Unique after‐hyperpolarization accompanying action potential in Chara globuralis." J.Plant Res.107. 371-375 (1994)
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[Publications] Shimmen他6名: "Roles of actin filaments in cytoplasmic streaming and organization of transvacuolar strands in root hair cells of Hydrocharis." Protoplasma. (印刷中).
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[Publications] Yokota他4名: "Localization of a 170 kD myosin heavy chain in plant cells" Protoplasma. (印刷中).